「ニュースウオッチ9」公式HPより

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 2021年3月末に「ニュースウオッチ9」のキャスターを退任し、その後、ヨーロッパ総局の副総局長を務めていたNHKの有馬嘉男氏(58)が、東京に戻ってくるという。

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【写真をみる】「めっちゃ久しぶりに見た!」東京に戻ってくるという、NHKの顔だった“有馬嘉男”氏(58)

 NHK関係者は言う。

「先週末に示された人事異動で、4月1日からの新年度に向けて、有馬さんがメディア総局所属として東京に戻ってくることがわかりました。ヨーロッパ総局副総局長としてパリ在住となったのが21年ですから、3年ぶりとなります」

 有馬氏は「ニュースウオッチ9」のキャスターとして名を上げた。

「『ニュースウオッチ9』の男性メインキャスターは代々アナウンサーではなく記者出身の方が担当しています。有馬さんも報道局の経済部や報道局国際部に所属した記者で、フランクフルト支局長やシンガポ−ル支局長、14年から『国際報道2014』、16年から『ニュースチェック11』のキャスターを務め、17年4月から『ニュースウオッチ9』を担当しました」

「ニュースウオッチ9」公式HPより

 穏やかな語り口が人気で、大人しそうに見えて意外に自分の意見を表明する人だった。

「20年10月26日、菅義偉首相が初めて所信表明演説を行った日にスタジオに招かれ、番組に生出演しました。すると有馬さんは、日本学術会議の会員候補の任命拒否問題について繰り返し問いただし、そのため菅さんも不機嫌になり、『説明できることとできないことがある』と強い口調で反論しました。この放送後に内閣広報官がNHKにクレームの電話を入れたとか、副官房長官がNHKへの不満を述べたなどと報じられました」

 官邸は何について怒っていたのか。当時の報道を見てみよう。

忖度で降板?

《坂井学官房副長官は5日夜の会食の場で、菅義偉首相が出演した10月のNHKの報道番組をめぐり、「所信表明の話を聞きたいといって呼びながら、所信表明にない(日本)学術会議について話を聞くなんて。全くガバナンス(統治)が利いていない」などと言及した。坂井氏は7日、朝日新聞の取材に対し、会食の席での会話にすぎないとの認識を示したうえで、発言内容を認めて、「報道を規制すべきだという趣旨では全くない」と説明した》(朝日新聞:20年12月12日)

 そして2月10日、NHKは有馬氏が3月いっぱいで「ニュースウオッチ9」を退任することを発表したのだ。

「そのため、有馬さんは菅首相に楯突いたために番組を降ろされたと言われました。実際のところ、官邸からの圧力はなかったと思いますね。あったとすれば、NHKの官邸への忖度でしょう」

 ヨーロッパ副総局長としてパリ在住となった有馬氏だが、「ニュースウオッチ9」にはリポーターとしてときおり出演した。

「もともとヨーロッパ副総局長というポストはなく、有馬さんのために作られたようなものでした。記者出身ですから、現場からの中継など楽しそうに見えましたね」

担当番組は未定

 本人はパリにいたかったかもしれないが、3年ぶりに日本に戻ってくることに。どんな番組を担当するのだろうか。

「彼が番組制作やデジタル発信部門などを束ねるメディア総局でどんな仕事をするのかはまだわかりません。報道局に戻ってこないのは、政治部出身で菅さんと親しい井上樹彦氏がNHKの副会長として君臨し、永田町に配慮する必要があったのはないかという見方があります。ですから、報道キャスターではないのかもしれません」

 NHK局内ではどう評価されているのだろう。

「『ニュースウオッチ9』で有馬さんの先々代のキャスターを務めた大越健介さん(62)は、番組降板後、『サンデースポーツ』を経て『NHKスペシャル』のキャスターに就任した。有馬さんにもそうした番組に出てもらえないかという声はよく聞きます」

 大越氏はNHKを定年退職後、テレビ朝日の『報道ステーション』のキャスターに就任した。有馬氏は定年まであと2年ある。

デイリー新潮編集部