2023年のWBCに出場した大勢(写真:CTK Photo/アフロ)

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2024年に4年ぶりのV奪回を狙う巨人が効果的な補強を進めている。ウィークポイントの中継ぎ陣強化に向け、他球団のセットアッパーを大量に獲得。オリックスから近藤大亮、ソフトバンクから高橋礼、泉圭輔、現役ドラフトで阪神から馬場皐輔、昨季まで阪神でプレーしていたカイル・ケラーが新加入した。

ただ、9回を締める抑えが安定していなければ盤石な勝利の方程式を築けない。不安が残るのが守護神の大勢だ。

「チーム事情で抑えに回ることも考えられます」

新人の22年、大勢は57試合登板で1勝3敗37セーブ8ホールド、防御率2.05と大活躍だったが、23年は「2年目のジンクス」を味わう結果に。6月下旬に右上肢のコンディション不良で2か月半戦線離脱。9月中旬に復帰したが痛打を浴びる場面が目立ち、27試合登板で3勝0敗14セーブ1ホールド、防御率4.50と不安定だった。

3年目の今季は巻き返しに期待したいが、大勢のコンディションが上がらなかった事態に備える必要がある。ケラーと共に新守護神候補と目されるのが、ドラフト1位右腕の西舘勇陽(中大)だ。

スポーツ紙記者は、「クイックが速く三振奪取能力が高い。制球力も安定しているので四球で崩れる心配がない。球種が多いわけではないので、先発よりリリーフ向きなのでは。抑えの重圧につぶされるタイプではないので、十分に機能すると思います。大勢につなぐセットアッパーで起用される可能性が高いですが、チーム事情で抑えに回ることも考えられます」と予測する。

昨季38年ぶりの日本一に輝いた阪神、リーグ3連覇を飾ったオリックスが示しているように、頂点に立つチームは強力な救援陣を構築している。巨人は抑えを務める大勢がキーマンになりそうだ。(中町顕吾)