ブレイキンは無愛想

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 謹賀新年。今年は“五輪イヤー”である。元旦の新聞各紙には、活躍が期待されるアスリートのインタビュー記事が躍った。

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 とりわけ露出が多かったのは、やり投げの北口榛花(25)だ。2022年世界陸上で銅メダル、昨年は金メダルを獲得、と上げ潮で、パリ五輪でもメダルが有力。マイナー競技だが、明るい性格で好感度は高い。

 次いで目立ったのは、柔道の阿部一二三(26)と詩(23)の兄妹。東京五輪金メダリストの二人は共にパリで五輪連覇を目指す。

「実は、選手にインタビューを申し込んだら…」

 そんな中で、全く露出が無かったのが、パリで五輪初採用となる「ブレイキン」の選手だ。ブレイクダンスとも呼ばれるそれは、

「世界的に注目されている新興の競技で、コンコルド広場で開催されます」

ブレイキンは無愛想

 と語る全国紙記者いわく、

「1980年代、欽ちゃんファミリーで一世を風靡した風見しんごが日本に広めたもので、中高年にもなじみがある。しかも、日本にはメダルを狙える選手が男女ともにいます」

 ならば、各紙がこぞってはやし立てるはずだが、なぜそうはならなかったのか。

「実は、選手にインタビューを申し込んだら金銭を要求されたんです。われわれとしてもそこまでして記事にすることはないかなと」

 通常、アスリートのインタビューは無報酬。プロ野球やサッカーもしかりだ。

 むろん、記者会見と異なり、選手に余計な時間と労力を強いる個別取材はギャラが発生してしかるべき、という考えも理解はできる。だが、五輪競技となると、強化費等の一部は税金で賄われる。公益性があり、柔軟な取材対応を求められる。

「五輪は主たる目標ではない」

 先の記者が続ける。

「陸上など昔ながらの競技は、選手が企業に所属するケースが多い。例えば、北口はJAL所属です。選手にカネを払っている企業は、彼らに露出してもらうことで自社名を宣伝したい。つまり、無報酬でもメリットはあるわけです」

 一方、ブレイキンやスケボーなど新興スポーツは、

「選手個々人がプロとして独立して活動している。スポンサーはいますが、隷属はしていない。そもそも彼らにとって五輪は主たる目標ではなく、主戦場は別にある。日の丸を背負う気概も薄いように感じます」

 なお、パリの次の28年ロス五輪でブレイキンは不採用が決まっている。

「週刊新潮」2024年1月18日号 掲載