売れ残りを防ぐ工夫が販売店にも見られる

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2023年のクリスマス、世間は高島屋の「崩れたケーキ」が騒動となった。日付が12月26日に変わったあたりから、X(ツイッター)では「半額で売られるケーキに哀愁を感じる」「半額ケーキを買っただけで日本を貧しい国扱いする奴が居るのか...」といった、ケーキ安売りの議論や、毎年話題となる売れ残りケーキの廃棄についての声が続々と上がった。

フードロスの注目が高まる近年、クリスマスケーキの売れ残りや廃棄は減少傾向にあるのか。

ある程度の「売り切れ」受け入れ

食品ロス問題に詳しいジャーナリストの井出留美氏に、J-CASTニュースBizが取材した。2019年に施行された「食品ロス削減推進法」について言及し、18年までと比べて全国の食品リサイクルセンターに持ち込まれる食品の量は減少していると話す。

クリスマスケーキの廃棄量については、「他の食品も一緒に入ってくるので、クリスマスケーキだけを計量するのは難しい」としつつも、「大手コンビニなどで、クリスマスケーキの当日販売だけでなく、予約販売を始めたこと」、さらには、「ロシアによるウクライナ軍事侵攻で、食料価格が高騰し続けており、消費者も企業も節約を強いられている」ため、「クリスマスケーキの廃棄も減少傾向にあると予想されます」と語った。

販売店にも聞いた。ケーキの製造・販売で知られる「銀座コージーコーナー」の広報担当者は取材に対し、廃棄量のデータはないものの「近年もそうですが、今年は特に減っているはず」と語った。理由については、井出氏が指摘した2019年施行の食品ロス削減推進法を意識することや、昨今の原料高などを挙げた。

また、売れ残りが発生しないようにするための手法としては、ある程度の「売り切れ」を受け入れつつ、過剰な数の商品を並べないといった工夫をしていると明かした。

(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)