2023年10月にフルモデルチェンジを発表したホンダ「N-BOX」と、2023年11月22日にフルモデルチェンジを発表したスズキ「スペーシア」(写真:本田技研工業/スズキ)

軽四輪車の新車販売台数でつねに上位争いを繰り広げているのが、本田技研工業(以下、ホンダ)の「N-BOX」とスズキの「スペーシア」だ。いずれも、全高が1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンというジャンルに属し、大人4名がゆったりと座れる広い室内や、電動スライドドアなどの使い勝手がいい装備などにより、若いファミリー層からシニア層まで幅広いユーザーから大きな支持を受けている。

フルモデルチェンジした2モデル


スペーシアのスタイリング(写真:スズキ)

N-BOXが2023年10月6日、スペーシアが2023年11月22日に、それぞれ新型を発売したが、とくに注目なのがスペーシアの改良点だ。例えば、2列目シートには、軽自動車では珍しい「オットマン機構」も持つ「マルチユースフラップ」を装備。ほかにも、電動パーキングブレーキや新開発のメーターなどにより利便性を向上させたほか、安全運転支援システムに最新の「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用し、先進装備の面でも進化を遂げている。


新型N-BOXのフロントフェイス(写真:本田技研工業)

一方、軽四輪車のジャンルで8年連続1位、登録車を含めた新車販売台数でもたびたびトップを獲得し、今や「日本一売れているクルマ」といえるN-BOX。その新型も高い評価を受けている基本性能を継承しつつ、各部を熟成している。例えば、メーターをステアリング奧に配置することでより広い運転視界を確保し、大容量のグローブボックスを採用することで、使い勝手のよさも向上。安全運転支援システム「ホンダセンシング」には、より広範囲を検知できるワイドビューカメラを採用するなどで、さらに予防安全性能を高めるなどのアップデートを受けている。

まさに、「実力伯仲」の感がある両モデルの新型車。では、実際に具体的な装備や機能には、どのような類似点があり、どういった点に違いや優位性があるのか。それぞれを比較することで、各モデルが持つ商品力の特徴を紐解いてみる。

両モデルが持つ類似点のひとつとして挙げられるのが、ラインナップの構成だ。いずれにも、スタンダード仕様とカスタマイズ仕様があり、NA(自然吸気)エンジン車とターボ車を設定するほか、全タイプに2WD(FF)と4WDを用意する。


N-BOXファッションスタイルのスタイリング(写真:本田技研工業)

より具体的に紹介すると、まず、N-BOXのスタンダード仕様にはNA車のみを設定。外観は、先代モデルと同様の四角いフォルムを継承しつつも、パネルに複数の丸穴を開けたようなスタイルのフロントグリルを採用するなどで、清潔感を演出していることが特徴だ。また、新しく「ファッションスタイル」というグレードも追加。サイドミラーやアウタードアハンドルにホワイトを配し、ホイールにはボディ同色のカバーを装備することで、主に女性ユーザーを意識したカラーを採用している。


スタンダード仕様スペーシアのリアビュー(写真:スズキ)

対する新型スペーシアのスタンダード仕様では、ボディサイドに新しいプレスラインを採用するなどで、「大容量のコンテナ」をデザインモチーフにした外観を採用。こちらも、先代モデルのイメージを継承しつつ、より丸くて四角いヘッドライトなどにより、フレンドリーな印象を増している。グレード展開には、エントリーモデルの「HYBRID G」と、2トーンのボディ色も選べる「HYBRID X」を設定する。こちらもエンジンはNAのみだが、全タイプに独自のマイルドハイブリッドシステムを採用することで、高い燃費性能に貢献する。

カスタマイズ仕様の違いは?


N-BOXカスタムの外観(写真:本田技研工業)

両モデルのカスタマイズ仕様では、まずN-BOXカスタムには、外観にクロームの加飾を施したインパクト感あふれるフロントグリルを採用。ユニットを小型でシンプルにできる「ダイレクトプロジェクション式LEDヘッドライト」、左右ヘッドライト上とフロントボンネット下を一直線でつなぐ「一文字ライト」などの装備により、より精悍で高級感ある顔付きとなった。ラインナップには、NA車とターボ車を設定。また、ボディ色をモノトーンと2トーンから選べる「コーディネートスタイル」も用意している。


スペーシアカスタムの外観(写真:スズキ)

一方のスペーシアカスタムでは、ボディのプレスラインなどはスタンダード仕様と共通ながら、フロントバンパーやヘッドライトの形状を変更することで、よりシャープな印象を加味する。また、ヘッドライト下には、横長デザインのシーケンシャルウィンカー(内側から外側へ向かって流れるように光るウィンカー)も採用することで、被視認性も向上する。グレード展開は、NA車にエントリーグレードの「HYBRID GS」と上級グレードの「HYBRID XS」を設定するほか、ターボ車の「HYBRID XSターボ」も用意。こちらも、全タイプにマイルドハイブリッドシステムを採用する。

ちなみに両モデルの車体サイズは、N-BOXやN-BOXカスタムが、全長3395mm×全幅1475mm×全高1790〜1815mm。対するスペーシアとスペーシアカスタムは全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm。全長や全幅は両モデル同じで、全高のみN-BOXやN-BOXカスタムのほうがやや高い設定となっている。

両モデルともにNAとターボの2本立てのエンジン


新型N-BOXに搭載されているNAエンジン(写真:本田技研工業)

N-BOX・シリーズのパワートレインは、先代モデルを継承しており、NA車が658cc・水冷直列3気筒(S07B型)を搭載し、最高出力43kW(58PS)/7300rpm、最大トルク65N・m(6.6kgf-m)/4800rpmを発揮する。同じエンジンを採用するターボ車のスペックは、最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク104N・m(10.6kgf-m)/2600rpmだ。

対するスペーシア・シリーズでは、NA車のエンジンが変更になっており、「ハスラー」や「ワゴンR」に搭載されている次世代型パワートレインを採用。657cc・水冷直列3気筒のR06D型というエンジンは、最高出力36kW(49PS)/6500rpm、最大トルク58N・m(5.9kgf-m)/5000rpmを発揮する。また、スペーシアカスタムに設定されているターボ車では、先代と同じ658cc・水冷直列3気筒(R06A型)を搭載し、最高出力は47kW(64PS)/6000rpm、最大トルクは98N・m(10.0kgf-m)/3000rpmだ。

両モデルのターボ車について、スペックはほぼ互角といえるだろう。だが、NA車のパワーやトルクは、スペーシアよりN-BOXのほうが高い。そのため、例えば、信号待ちからの発進などでは、N-BOXのほうがよりストレスフリーな乗り味になることが予想できる。


スペーシア カスタム(写真:スズキ)

ただし、燃費性能の面では、スペーシアのほうが優れている。それぞれのWLTCモード値を比較してみると、NA車のスペーシア・スタンダード仕様が23.9〜25.1km/Lなのに対し、同じくNA車のN-BOX・スタンダード仕様は19.4〜21.6km/L。また、カスタマイズ仕様車では、スペーシアカスタムがNA車で22.4〜23.9km/L、ターボ車は19.8〜21.9km/L。対するN-BOXカスタムでは、NA車が19.4〜21.5km/Lで、ターボ車は18.4〜20.3km/Lだ。

燃費の面では、全般的にスペーシア・シリーズに軍配が上がる。これは、前述のとおり、全タイプにマイルドハイブリッドシステムを採用していることが大きいのだろう。発進時や加速時などに、電動モーターがエンジンの駆動力をアシストすることで、高い燃費性能を生み出しているのだ。

また、スペーシアのNA車に搭載されているR06D型エンジンは、出力こそN-BOXのNAエンジンに劣るものの、街中でよく使う低中速の動力性能や静粛性を高めていることが特徴。マイルドハイブリッドとの相性もいいという。とくにスペーシアHYBRID Gの2WD車では、WLTCモード値25.1km/Lを実現。スズキの調査によれば、この数値は、全高1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンのクラスでトップなのだという(2023年11月現在)。

注目のアップデート箇所について


新型スペーシアの電動パーキングブレーキ(写真:スズキ)

加えて、新型スペーシアでは、新しく電動パーキングブレーキを採用したほか、停車中にブレーキペダルを踏み続けなくても停車状態を保持するオートブレーキホールドも装備する。ストップ&ゴーが続く渋滞路などで、ドライバーの疲労軽減をサポートする装備だ。N-BOXの場合、これら装備は先代モデルから採用されており、当然ながら新型にも搭載する。電動パーキングブレーキやオートブレーキホールドは、近年、N-BOXだけでなく、多くのモデルに装備されており、評判も良好だ。その意味で、新型スペーシアの新採用は、N-BOXを筆頭とするライバル車に対し、自らの弱点を補ったようなカタチだといえるだろう。


新型N-BOXの7インチTFT液晶メーター(写真:本田技研工業)

一方、新型N-BOXでは、メーターを変更していることも特徴だ。先代モデルが運転席前のダッシュボード上に配置していたのに対し、新型ではステアリング奥にあるインホイールメーター式を採用。水平基調のインストルメントパネルと相まって、より見通しの良い視界を確保している。また、ホンダ軽自動車で初搭載の7インチTFT液晶メーターも装備し、ドライバーが多様な情報を一目でわかるような仕様となっている。


新型スペーシアの運転席から見える視界(写真:スズキ)

対するスペーシアも、スピードメーターをデジタル化し、4.2インチTFT液晶のマルチインフォメーションディスプレイを採用。視認性を高めるとともに、こちらも多様な情報の表示を可能としている。また、新開発のステアリングには、左側にマルチインフォメーションディスプレイ操作用の十字スイッチを搭載。ディスプレイ内の表示コンテンツを切り替えるといった各種操作を、ステアリングから手を離さずにできることで、より利便性や安全性を向上している。なお、こうしたステアリングに操作スイッチを配置する手法は、やはりN-BOXでも採用されている。両モデルは、運転中に行うスイッチ類の操作性についても、ほぼ互角になっているといえるだろう。

ほかにも、新型スペーシアでは、インストルメントパネルや前席ドアのアッパー部分を立体的な造形に変更。運転中の視界についても、N-BOXと同様に、広々とした開放感や、前方を見やすくする工夫がなされている。

インテリア:後席の工夫・シートアレンジ


N-BOXのインテリア全景(写真:本田技研工業)

インテリア関連では、まず、新型N-BOXには、助手席側に小物などを収納できるインパネトレーを採用。また、グローブボックスの容量を先代モデルの2倍以上に拡大したほか、後席後方の左右壁には、ボックスティッシュや子どもがオモチャを入れたりできる大型のサイドポケットも新設する。より多様な荷物を収納できるようになったことで、乗員すべての利便性を向上させている。


新型スペーシアで初採用されたマルチユースフラップ(写真:スズキ)

対するスペーシアは、これも先述した後席のマルチユースフラップが注目だ。これは、後席座面の前部分に装備した可動式フラップのことで、それを伸ばしたり、角度を変えたりすることで、主に3つのモードを活用できる。まず、「レッグサポートモード」は、フラップを前に出し角度を調整することで、フラップを足の裏側にマッチさせることが可能。

例えば、カーブなどの走行時に足をホールドしてくれることで踏ん張りやすくなる。また、フラップを長く伸ばせば、「オットマンモード」となり、停車して休憩するときなどに足を伸ばしてくつろぐことができる。さらに、フラップを上向きにして立てれば、「荷物ストッパーモード」にも変更が可能。左右独立した後席センターアームレストとの併用により、後席に載せた荷物などを支え、減速時などに脱落を防止できる。


スペーシアのインテリア(写真:スズキ)

加えて、新型スペーシアでは、2列目シートを格納したときの床面がよりフラットになり、荷室高も拡大。27インチタイヤの大型自転車など、大きな荷物がより積み込みやすくなっている(自転車は車体サイズによる)。

「軽自動車なのに自転車も積める」。軽スーパーハイトワゴンならではの利点だが、N-BOXは先代モデルでもその点について好評で、やはり27インチタイヤを装備した大型の自転車を積載できることがひとつの売りだった。つまり、新型スペーシアは、荷室の広さや使い勝手の良さについても、N-BOXを追従し、同等の性能を持たせたといえる。


N-BOXのインテリア(写真:本田技研工業)

ちなみに、N-BOXが持つ広い荷室や使い勝手のよさの秘密は、初代モデルから継承する独自の「センタータンクレイアウト」だ。これは、通常は後席や荷室の下にある燃料タンクを前席下へ配置することで、室内のフロアを低く設定できることが利点。天井を高くできるほか、2列目シートを足元に収納できるダイブダウン機構も持つことで、フラットな荷室空間を作ることができる。そのため、自転車など大型の荷物を積載しやすかった。その点は、新型も継承しつつ、より改良が図られている。ダイブダウン時に倒した背もたれの一部をフラット化することで、積載した自転車が走行中に安定するような工夫が施されている。

なお、両モデルの室内サイズは、N-BOXが長さ2125mm×幅1350mm×高さ1400mm。対するスペーシア・シリーズでは、長さ2170mm×幅1345mm×高さ1415mmだ。幅はN-BOXのほうがあるが、長さや高さはスペーシアのほうにやや余裕がある。新型N-BOXも、後席ショルダールームを55mm拡大することで、居住性を向上しているが、室内の広さでは、若干ながらスペーシアに分があるようだ。

電動スライドドアの注意点

両モデルでは、先代モデルと同様に、左右の電動スライドドアを採用していることも特徴だ。小さな子どもや高齢者が乗り降りしやすいほか、荷物を抱えたまま開閉する際にも便利な装備だ。また、N-BOXとスペーシアの両モデルともに、新型には予約ロック機能も採用する。これにより、ドアが閉まるまで車両近くで待つ必要がなく、雨天時などの使い勝手を向上させている。

さらに新型N-BOXは、コネクテッドサービスの「ホンダコネクト」にも対応。スマートフォンで、エンジン始動やエアコンの操作などを遠隔操作できるほか、電動スライドドアの操作も可能となっている。ちなみに、これら機能は、いずれもタイプ別の設定またはオプション。とくにスペーシアには、電動スライドドアの設定がないグレードもあるため、これら機能が使えるか否かは、購入時に注意したい。


後席への乗車をサポートするN-BOXの乗り降りらくらくグリップ(写真:本田技研工業)

ほかにも、新型N-BOXでは、スライドドア開口の一部に小さい子どもや高齢者が握りやすいグリップ形状のくぼみを設けることで、より幅広いユーザーが乗り降りしやすい工夫を行っている。一方の新型スペーシアでは、後席の両側に乗降用グリップを採用。高齢者や小さな子どもがつかみやすい145mmサイズの大型グリップを装備することで、こちらも多様な乗員の乗降時における負担軽減をサポートしている。

安全運転支援システム

先進の安全運転支援システムについても、両モデルともに進化している。まず、N-BOXでは、独自の「ホンダセンシング」を全車に標準装備。新型モデルでは、広い水平画角のフロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーを用いたシステムを採用することで、より機能が充実している。


N-BOXに搭載されている衝突軽減ブレーキ(CMBS)のイメージ(写真:本田技研工業)

主な特徴は、まず「近距離衝突軽減ブレーキ」をホンダの軽自動車として初採用していること。前方または後方の障害物を検知し、衝突する恐れがある場合にブレーキを制御して衝突被害を軽減する機能だ。また、間違えてアクセルを強く踏んでしまったときの急加速を抑制する「急アクセル抑制機能」もN-BOXに初搭載。加えて、高速道路などで車間距離を保持しながら前車を追従する「ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」も進化している。前方に他車が割り込んできて減速する場合に、速度の落とし方がゆるやかになっている。これは、センサーやカメラの進化により、より早い段階で割り込み車両を認知し、早期に減速を開始できるためだ。もちろん、先代モデルと同様に、渋滞追従機能付きACCのため、渋滞路などで前車が停止した場合には、自車も自動停止する機能を有している。

さらにN-BOXカスタムには、同じくホンダ軽自動車初の「マルチビューカメラシステム」もオプション設定する。これは、フロントグリル、左右ドアミラー、テールゲートに備えた4つの魚眼シーモスカメラが車両の周囲を撮影し、ナビモニターに映し出す機能だ。バックで駐車する際には、リアビューや約180度を見渡せるリアワイドビュー、それらと真上から車両を見下ろしたようなグランドビューを組み合わせた映像を選べる。また、見通しの悪い交差点などへの進入時に、死角にいる他車を映したり、狭い路地で対向車とすれ違ったりする場合などに、見えづらい前側方を映し出す機能も採用。駐車時だけでなく、走行中の運転支援にも貢献する。


スペーシアに搭載されている先進安全機能・運転支援機能(写真:スズキ)

一方のスペーシアでは、より先進の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」をスズキ車で初採用し、全車に標準装備する。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたこのシステムでは、検知エリアを拡大。車両や歩行者、自転車、自動二輪車を検知するほか、交差点での検知にも対応する。また、「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」も全車に搭載する。フロントバンパーとリアバンパーに内蔵した超音波センサーが前方・後方の障害物との距離を測り、衝突の可能性があると判断した場合に、衝突被害軽減ブレーキによる衝突の回避または被害軽減を図る機能だ。

さらに、ACCは「全車速追従機能・停止保持機能付き」にアップデートしている。渋滞時などで前車が停止した場合、自車も自動で停止する機能を追加。また、カーブを認識し、カーブ手前で自動で速度を抑制する「カーブ速度抑制機能」や、車線変更時の加減速を補助する機能、割り込みなどに対する接近警報機能なども搭載し、高速道路などでの運転で、ドライバーの疲労軽減に貢献する。

なお、新型スペーシアにも、クルマの前後左右に設置した4つのカメラで、ナビモニターにクルマを真上から見たような映像などを映し出す機能もある。こちらは、メーカーオプションの「全方位モニター付きメモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機」を装着する必要があるが、全グレードに設定。N-BOXのマルチビューカメラシステムもメーカーオプションだが、N-BOXカスタムにしか装備できない。駐車支援システムについて、より幅広いタイプに対応するのはスペーシアのほうだといえる。

価格ではスペーシアのほうが若干手頃

以上から考察してみると、冒頭で述べたとおり、両モデルの商品力は非常に伯仲しているといえる。おそらく、スズキは、ライバル車で絶対王者のN-BOXについて、かなり研究して新型スペーシアを開発したのではないだろうか。そのうえで、オットマン機能も持つ2列目シートのマルチユースフラップなどで、居住性の面でより優位性を持たせているといえる。


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なお、両モデルの価格(税込み)は、N-BOXのスタンダード仕様が164万8900円〜188万1000円で、N-BOXカスタムは184万9100円〜236万2800円。対するスペーシアのスタンダード仕様は153万100円〜182万4900円で、スペーシアカスタムは180万1800円〜219万3400円だ。スペーシア・シリーズのほうが、やや価格帯も低い。近しい装備ながら、価格設定も若干安いことで、新型スペーシアが、新車販売台数で長年1位を続けるN-BOXの牙城へいかに挑み、軽スーパーハイトワゴン市場へどのような影響を与えるのかに、今後も注視したい。

(平塚 直樹 : ライター&エディター)