by Jernej Furman

画像生成AI「Stable Diffusion」を開発するStability AIが、顧客が同社のモデルを商業利用する方法を標準化し、有償メンバーシッププランを開始すると発表しました。Stability AIによると、この有償メンバーシップは収益性とオープン性のバランスをとることを目的としており、ユーザーに商業利用する権利を付与する方法を「再定義」するものだとしています。

Memberships - Stability AI

https://stability.ai/membership



Stability AI メンバーシップのご紹介 - Stability AI Japan

https://ja.stability.ai/blog/stability-ai-membership



Stability AI announces paid membership for commercial use of its models - The Verge

https://www.theverge.com/2023/12/19/24008149/stability-ai-paid-subscription-commercial-rights-safety

メンバーシップには、個人利用・研究利用向けの無料プランである「Non-Commercial」、年間売上100万ドル(約1億4000万円)未満・機関投資家資金100万ドル未満・アクティブユーザー100万人未満のクリエイター・開発者・新興企業向けの月額20ドル(約2800円)の「Professional」、Professinalプランよりも大きな顧客向けで価格要相談となる「Enterprise」の3種類が存在します。



いずれのプランでも、SDXL(Stable Diffusion XL) TurboやStable Video Diffusion、大規模言語モデルの「Stable LM Zephyr 3B」など、新しいAIモデルへの早期アクセスが提供されますが、商業利用が可能なのはProfessionalプランとEnterpriseプランのみ。Stability AIは「弊社が成熟し、規模を拡大し続ける中で、Stability AIのメンバーシップは将来的な研究とコアモデルの開発に資金を提供するために極めて重要な役割を果たすでしょう」と述べています。

Stability AIのエマド・モスタークCEOはX(旧Twitter)で、「メンバーシップの価格設定はシンプルにすることを目的にしています」とコメントしています。



IT系ニュースサイトのThe Vergeは、「商用利用」という部分が不可解であると疑問を提起しています。実際にオンライン掲示板サイト・RedditにおけるStable Diffusionのサブレディットでは、商用利用が適用されるのは、モデルを使用して独自のジェネレーティブAIサービスを提供する人だけなのか、Stable Diffusionが生成した画像を商用利用する人は全員使用料を支払わなければならないのか、といった問題がはっきりしていないと議論されています。Stable DiffusionをはじめとしたAIが生成した作品は著作権で保護されないことがすでに示されているため、何に基づいて使用料が発生するのかはっきりしていないとThe Vergeは指摘しました。