CBS MarketWatchによると、米携帯大手スプリント・ネクステルは10日、ティム・ドナヒュー取締役兼会長(57)が、12月31日付で辞任することを発表した。後任は現在選考中という。同氏はネクステルの前CEO(最高経営責任者)。同社は8月、スプリントの社長兼COO(最高執行責任者)だったレン・ローアCOOの辞任を発表したばかり。

  スプリントは昨年、350億ドルを投じてネクステル・コミュニケーションを買収。合併後の顧客数は4000万人、年間の売上高は400億ドルに達し、米携帯電話3位に躍進した。しかし、第2四半期決算が38%の減益を計上して不振だったことに加え、ローアCOOの辞任が嫌気されて株価は8月に52週ぶりの安値をつけていた。

  同社の株価は10日、前日比0.22%安の18.04ドルで引けている。

  ドナヒュー氏は、「スプリント・ネクステルに対して沿道から声援を送るときがきた」との声明を発表。同社の統合作業が順調に進んでいると述べた。同社の広報担当者は、今回の辞任が自発的なものであることを強調。業界アナリストのジェフ・ケーガン氏も、合併後の辞任劇はよくあることと述べ、ドナヒュー氏とローア氏の辞任には関連がないとの見方を示している。【了】