フルーツパーラー果実園リーベルのモーニングは超魅力的。なお、写真は1番人気の「1100円モーニング」です(筆者撮影)

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第55回となる今回、訪れたのは「果実園リーベル」です。

ひそかに飲食チェーンがしのぎを削っているジャンル、それがモーニングです。集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューの数々は、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。

12月は家族や友達、恋人など、誰かと一緒に行きたいモーニングをピックアップ。今回はフルーツパーラー「果実園リーベル」の朝限定メニューをご紹介します。お手頃価格で提供される、たっぷりと果物を使用した贅沢なモーニングプレートは人気を呼び、朝から行列ができているお店もあるほどです。

外食の定番は昼休憩に1人でランチ? それとも休日に家族でディナー? そんな固定観念を覆し、たまにはチェーン店で朝食を。

果実園リーベルのモーニングはドリンク付きで550円から


店頭には贈答品のフルーツ。奥が飲食エリアになっています(筆者撮影)

「果実園リーベル」は、東京を中心に15店舗を展開するフルーツパーラーチェーンで、デパートや駅ナカ・駅チカの商業施設を中心に出店しています。

フルーツをふんだんに使用した、フルーツサンドやパフェ、ケーキが人気のお店で、グルメ雑誌や、タウン誌、女性誌などにも紹介される人気店です。


トースト、ピザトースト、ホットドッグ、パンケーキ、フルーツサンド……しかも、全品ドリンクセット付きです(筆者撮影)

モーニングメニューは、系列店の半数ほどで販売があり、筆者が利用した店舗の、モーニングの実施時間は、朝8時から11時まで(店舗により実施時間やメニュー内容が異なるので、各自ご確認をお願いします)。

メニューは5種類で、

・Aセット(トースト) 税込550円
・Bセット(ピザトースト) 税込680円
・Cセット(ホットドッグ) 税込680円
・Dセット(フルーツサンド) 税込1100円
・Eセット(日替わりパンケーキ) 税込1100円

いずれもドリンクセットとなっており、ドリンクコーナーからセルフサービスで好きな飲み物を選びます。

フルーツサンドにフレッシュフルーツとサラダがセットのモーニングが1100円


果実園リーベルのモーニングDセット1100円(筆者撮影)

メニューにも「一番人気」との記載があった、モーニングDセットがこちらです。

セット内容は、

・フルーツサンド
・フレッシュフルーツ
・サラダ
・ドリンク(セルフサービス)

です。

フルーツサンドに使用される果物は日替わりです。この柔軟さがモーニングメニューの安さの秘訣なのでしょう。仕入れ値の安い旬の果物を使えば、安価に提供することができますし、店内在庫の多い果物を使えば廃棄も減る。お店も利用者もお互いにwin-winですよね。


フルーツサンドと3種類のフレッシュフルーツ、サラダとドリンクのセット(筆者撮影)

今回のフルーツサンドは、メニュー写真よりも豪華でした。見るだけで心が躍る、カラフルで美しいモーニングプレートです。

お店のこだわりとして「食べ頃のフルーツが安く手に入れば、メニュー写真より多くフルーツを載せる」というものがあるのですが、幸運にもそれに出くわしたようです。

果物そのものの甘みが楽しめるフルーツサンド


2色のパンに挟まれた、断面もリズミカルで美しいフルーツサンド(筆者撮影)

食パンは、プレーンとチョコを使用。具材にはいちご、メロン、マンゴー、ぶどう、キウイ、パイナップルと、フルーツがぎっしり。断面を眺めるだけで、口元がほころんでくる、なんとも贅沢なフルーツサンドです。

一口目には「なんだ? 思ってたよりパンが硬いぞ」と思ったのですが、型崩れを防ぐ意味があるのだと気づきました。フルーツをたっぷり使用しても、水分が少なめのパンで挟めば、持ってもふにゃふにゃしないので、生クリームが飛び出したり、フルーツがこぼれず手が汚れません。


上記フルーツサンド写真の反対側の断面。さまざまなフルーツがふんだんに使われた贅沢な味わい(筆者撮影)

硬めに泡立てた生クリームの甘さはかなり控えめで、フルーツの甘みを引き立てています。つまりは生クリームよりもフルーツのほうが甘いのです。生クリームの甘さでごまかしていないってすごいこと。熟したいちばんおいしいタイミングで提供しているからこそです。

噛むごとにフルーツが弾け果汁があふれ。さまざまな果物の味が口の中で混じり合い、おいしさの相乗効果を生み出します。食パンの塩気もちょうどよいアクセントで、飽きることなくペロリと食べ切れてしまいました。

フルーツとサラダも超新鮮!


この日のフルーツは、メロン、いちご、種なしぶどうの3種類でした(筆者撮影)

この日のフルーツは、メロンといちごと種なしぶどうでした。フォークでカットすると果汁がお皿に滴り落ちるジューシーなメロンに、真紅のピカピカいちご。口に放り込むと、ジュースを飲んだように果汁があふれるぶどう。

フルーツパーラー品質の果実たちは、どれもビジュアルもよく、糖度も高い。一口食べればわかる、スーパーのカットフルーツとは一線を画す高級感に、朝から大満足です。


サラダにはグリーンリーフとフリルレタス、紫キャベツなどを使用。ほどよい苦味とドレッシングの酸味が朝食のアクセントに(筆者撮影)

サラダもみずみずしく、イタリアンドレッシングはオリーブオイルの香りも豊かで、「付け合わせだし、それなりでしょう」と期待せずに食べたら思いのほかおいしい。サラダがあることで、味に抑揚もつくので「これはモーニングプレートに必須だな」と理解できました。


果実園リーベルのモーニングAセット550円(筆者撮影)

最も安い税込550円のモーニングAセットも、お値打ち価格だなと感じました。

値段以上のバリューがある朝メニュー

セット内容は

・トースト
・たまご(ゆでたまごorスクランブルエッグ)
・フレッシュフルーツ
・サラダ
・ドリンク(セルフサービス)

です。

トーストは1枚。5枚切り程度の厚みがあるので、食べるとけっこうなボリュームです。軽くトーストしてあり、バターとオレンジマーマレードが添えられていました。フルーツサンドに使用されているものと同じ食パンを使用しているのか、こちらも水分量控えめのサクッとした軽い食感です。


食パンにスクランブルエッグを載せてオープンサンドにしていただきました(筆者撮影)

最近の食パンは、砂糖と水分ををたっぷりと含んだ、甘くてしっとり系が流行りですが、噛むほどに小麦の香りが広がる、塩気のあるあっさりした食パンも、捨てたもんじゃないなと思いました。

たまごはメニュー写真ではゆでたまごでしたが、スクランブルエッグも選べました。とろりとした半熟の白身が残るスクランブルエッグに、リズミカルにケチャップがかかっていて、鮮やかな黄色に赤が映えます。


昔ながらのオールドファッションな食パンに、バターとオレンジマーマレードを塗って(筆者撮影)

トーストの半分にはスクランブルエッグを載せて、オープンサンドにしてパクリ。もう半分にはバターとオレンジマーマレードをたっぷり塗って、甘じょっぱさを楽しみながらパクリ。

これにフルーツとサラダにドリンクがついて550円。街の喫茶店のモーニングセットのような価格設定ですが、お値段以上のバリューがある朝メニューだと感じました。


セルフサービスのドリンクコーナー(筆者撮影)

ドリンクコーナーには、ホットコーヒー用のコーヒーメーカーと、紅茶バー、ポットに入ったアイスコーヒーとアイスティーが常備されていました。

紅茶バーは、定番のアールグレイのほかに、白桃紅茶、りんご紅茶、いちご紅茶、マンゴー&オレンジ紅茶など、フルーツパーラーならではのフレーバーティーも取り揃えています。

テトラ型の不織布に包まれたティーバッグは、グレードの高い茶葉を使用しているようで、ガラス瓶のふたを開けるとふわりと漂う香りは、なんとも芳しく、「高級そうだな」と飲む前からわかるほど。


カラフルな紅茶バーのブース。ガラス瓶が整然と並び、眺めるだけで楽しい(筆者撮影)

本格的なコーヒー、お冷はフルーツウォーター

コーヒーは果実園のオリジナルブレンド。味はフルーティーで、酸味も苦味も強めでコクもある、メリハリのしっかりした本格的なコーヒーでした。

ケーキやパフェと相性のいい、甘いメニューを引き締める、大人のコーヒーといった深みのある味わいです。

余談ですが、なんと「果実園リーベル」は、お冷(無料のお水)が、フルーツウォーターでした。これがなんともおいしかった。

ミントとオレンジとパイナップルのほうを飲んだのですが、ミントの爽快感とオレンジとパイナップルのフルーティーな香り、オレンジの苦味など、さまざまなフレーバーが水に溶け出し、このうえなく爽やかでおしゃれな味がしました。


フルーツパーラーならではの、グッドルッキングなフルーツウォーター(筆者撮影)

筆者が利用した店舗のフルーツサンドの価格は、レギュラーメニューだと税込1460円です。つまりはモーニングだとドリンクがセットになっているにもかかわらず、フルーツサンドの単品価格より、350円もお安く食べられるのです。これをお得と言わずして、何といわんや。


ショーケースに並ぶ大きなズコットケーキ。色とりどりのフルーツが目に鮮やかです(筆者撮影)

お得なモーニングは評判に、朝から行列

もともと「果実園リーベル」は、手頃な価格で旬のおいしいものを提供することをモットーとし、某老舗のフルーツパーラーよりもお安くパフェを提供し、某フルーツタルト店よりもでっかいケーキを販売する、そもそもがフルーツパーラーとしては手が出やすい価格帯のお店です。

もとからお得なのに、さらにお得なモーニングは評判となり、横浜ランドマークプラザや東京駅にある店舗はいつでも朝から行列がデフォルトになっています。私が利用した店舗は2023年12月にオープンしたばかりの新店にもかかわらず、平日朝10時の時点で50人もいました。


壁が一面のガラス張りで明るい店内は、女性客を中心ににぎわっていました(筆者撮影)

広々とした店内には客席が約100席。ほとんどが複数人の利用で、1人を除いて全員が女性です。席間をゆったりと設けているため、ベビーカーを持ち込んだママ友同士の利用も多く見受けられました。

清潔感のある明るい店内は、落ち着きのある内装で安っぽさは皆無。でもトレンドを追いすぎたり、高級感を押し出していないので、普段着で利用できる居心地のよさや気やすさがあります。子どもを幼稚園(もしくは保育園)に送り届けてから、仲間と一緒に、ちょっと贅沢な朝食をゆっくり食べるのに、ぴったりなお店なのです。

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。


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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)