今回該当したのはソウルラッシュ(撮影:下野雄規)

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 今週の日曜日は、京都競馬場でマイルチャンピオンシップ(GI・芝1600m)が行われます。

 過去10年のマイルCSでは前走で東京に出走していた馬が7勝2着7回3着7回と活躍しています。特に毎日王冠や天皇賞(秋)、安田記念などレベルの高いレースから参戦してきた馬の期待値が高くなっています。

 その他では前走で京都や中山、札幌に出走していた馬も上位争いに絡んでいますが、これらの馬は全て前走でGII以上に出走していました。前走でレベルの高いレースを経験している事が強みとなり、GIで更にメンバーレベルが上がっても、それに臆する事なく能力を出し切れるのがこの傾向となっている要因と考えられます。

 今年も前走でレベルの高いレースを経験しているかが好走の鍵を握ると言えますので、各馬の前走レベルには注意したいところです。

 ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。

【条件】
前走中山に出走(ただし、前走スプリンターズS出走馬は除く)
[0-0-0-7]複勝率0%
該当馬:ソウルラッシュ
(過去の該当馬:21年グレナディアガーズ4番人気13着)
※特に言及のない限り、データは過去10年間を対象にしています。なお、13年から19は京都開催、20年から22年は阪神開催となっています。

 上位人気が予想されるソウルラッシュが該当しました。

 過去10年のマイルCSで前走中山組は2勝していますが、その2勝を挙げたのは前走でスプリンターズSに出走していたグランアレグリアとミッキーアイル。やはり、前走でレベルの高いレースを経験している事が重要と言えます。また、グランアレグリアとミッキーアイルはそのスプリンターズSで連対しており、高い能力を備えている事も証明しています。

 一方、前走でスプリンターズS以外に出走していた中山組は軒並み苦戦しています。レベルの高いレースを経験していないため、GIメンバーが相手となるマイルCSでは前走との格の違いに戸惑い、力を出し切れていないのでしょう。

 ソウルラッシュの前走は中山で行われた京成杯AH。そこで勝利しているものの、メンバーレベルが高いとは決して言えない中での結果です。加えて、これまでのソウルラッシュはGIで3着以内に好走した実績がありませんので、能力的に考えても今回のメンバー相手には苦戦を強いられそうです。過去の傾向やソウルラッシュ自身の能力を考えると人気ほどの妙味はなく、ここは軽視するのが最善と言えるのではないでしょうか。

 重賞レースの参考に、是非お役立てください。