「ピンクリボンランチ」を提供している、都庁内の食堂の様子。(撮影:久保田真理)

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東京都内の各地では乳ガン月間の10月に合わせ、乳ガン早期発見・検診受診を呼びかける「ピンクリボン運動」が展開されている。

 「ピンクリボン運動」は、乳ガンの正しい知識の啓発や早期発見のための検診を呼びかけるキャンペーン。乳ガンで死亡した娘を持つ母親が、同じ悲しみを繰り返さないようにと、孫にピンクのリボンを渡したことがきっかけと言われ、1980年代に米国で始まった。

 都によると、日本人女性の25人に1人が乳ガンを発症。壮年層(30〜64歳)女性のガン死亡原因としては、最も多い結果となっており、30歳以降から罹患率が増える傾向にあるという。

 都庁は1日から、庁舎をシンボルカラーであるピンクにライトアップ。2日からは庁内職員食堂で、低脂肪・低カロリーの「ピンクリボンランチ」を提供している。メニューは日替わりで5日間限定。食物繊維が豊富な食材や大豆を使用し、健康面に気遣う一方で、赤コショウや紅葉おろしを添えるなどピンク色の食材を使い、視覚からのアピールも狙う。

 都庁に面する京王プラザホテルも、ホテルの壁をピンクの照明で照らし、同運動を盛り上げている。館内では、一部のレストランで「ピンクリボン」と合い言葉を言うと、シャンパンを無料で提供するなどのサービスを展開。色はもちろんロゼ。45階のバーではオリジナルカクテル「ピンクリボン」を、都庁のライトアップを眺めながら楽しむことができる。いずれも10日まで。

 JR中央線では、ピンクリボンの広告が車内を“ジャック”した電車が登場。10両1編成の快速電車が2日〜10日まで、乳ガン早期発見の重要性を伝えるため同路線を走る予定だ。

 都福祉保健局の岩崎優子さんは「ピンクという女性を表すイメージカラーを使い啓発活動をすることで、多くの人にピンクリボン運動を知ってほしい」と都を中心とした取り組みについて話している。

◇ピンクリボン運動は365日◇

 「受けようマンモグラフィー検診。乳ガン早期発見で笑顔の暮らし」を合い言葉に、ピンクリボン運動を展開するNPO法人「J.POSH」の松田寿美子事務局長は、「乳ガンで悲しむ人が生まれないように、個人の意識や社会の仕組みを変えていくことが大切」と同運動の意義を説明する。

 米国では、1990年ごろに乳ガンの致死率低下という形で、キャンペーンの効果が明らかになっているが、日本のピンクリボン運動は米国に比べ20年ほど遅れており、知識の啓発や検診の普及促進など乳ガンに対する意識や環境はまだ未熟だ。
 
 「J.POSH」は個人に対して働きかけるほかに、企業が女性社員を対象に行う「乳ガンマンモグラフィー検診」の実施促進、地方自治体が行う同検診の◆検診実施医療機関数◆広報活動◆受診日程・時間――などのインフラ整備を訴え、推し進めている。

 松田事務局長は、「多くの人が乳ガンについて正しい知識を持つことが大事。男性にも、パートナーの女性に検診を勧める『ピンクリボン運動』ができる」と強調。「ピンクリボン月間の10月だけでなく、ピンクリボン運動は365日続けることが重要」としている。

 厚生労働省は、乳ガン検診について「40歳以上、1〜2年に1度程度」との指針を出しているが、「J.POSH」は、ガン以外の病気を早期発見できる点からも「20歳を過ぎたらガン年齢」として、若年層に対しても検診を呼びかけている。【了】

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