「レッドスプライト」は高度50km〜80kmの中間圏で起こる発光現象であり、その見た目から「赤い稲妻」とも呼ばれています。そんなレッドスプライトの様子を捉えた高解像度画像が、NASAとミシガン工科大学によって運営されているウェブサイト・Astronomy Picture of the Dayに掲載されました。

APOD: 2023 October 2 - Sprite Lightning in High Definition

https://apod.nasa.gov/apod/ap231002.html

レッドスプライトは雷雲や積乱雲のはるか上空の中間圏で生じる発光現象で、色合いはその名の通り赤みを帯びており、雷とは異なるものの雷に付随して発生する現象だそうです。これまでの研究からは、落雷の後に高度約80kmからイオン化した100mほどの空気の球が落下し、これに伴って発光が生じると考えられています。

実際にAstronomy Picture of the Dayに掲載されたレッドスプライトの画像が以下。まるで線香花火のように枝分かれした光が確認できます。



この画像を撮影したフランスの写真家であるニコラス・エスキュラ氏は、Facebookでレッドスプライトを撮影した時の状況について語っています。

エスキュラ氏は2023年9月10日から11日の夜、フランスのドルドーニュにあるカステルノー城の上空でレッドスプライトの撮影に成功したとのこと。レッドスプライトが発生した時間帯はカメラを向けた方角で雷雨が降っており、撮影地点からレッドスプライトまでの距離は約196kmだったそうです。

Astronomy Picture of the Dayに掲載されたものよりも広い範囲を収めた画像がこれ。右下にカステルノー城が写っているのがわかります。



レッドスプライトが発見されたのは1989年と比較的最近ですが、近年ではさまざまな科学者やアマチュア写真家によって撮影され、研究が進められています。2023年8月には、スロバキアの天文学者が幅50kmを超えるレッドスプライトの撮影に成功しています。

Eerie, ultra-detailed photo of a lightning 'sprite' exposes one of nature's least understood phenomena | Live Science

https://www.livescience.com/planet-earth/weather/eerie-ultra-detailed-photo-of-a-lightning-sprite-exposes-one-of-natures-least-understood-phenomena