隠れYouTuberとして活躍するためのポイントをご紹介(写真:YAMATO/PIXTA)

スマホだけ、顔出しなしで動画を投稿する「隠れYouTuber」は、初期費用がかからずに、身バレのリスクもないスタイルです。スマホだけ、顔出しなしで収益化できる理由を解説した前回に引き続き、『スマホだけ×顔出しなし 隠れYouTuberで毎月3万円を稼ぐ』の著書・木村博史氏が、隠れYouTuberとして活躍するためのポイントを紹介します。

“見る価値がある動画”だと視聴者に思わせる

そもそもYouTubeに投稿した動画を誰かに“見てもらう”ためには、相手に視聴するメリットを提供しなくてはいけません。YouTubeだけではなく、FacebookやTwitter、InstagramなどSNSにはさまざまな情報が流れています。そのたくさんの情報のなかで、視聴してもらうためには“見る価値がある動画”だと認識してもらう必要があるのです。

では、“見る価値がある動画”とはどのようなものでしょうか。それは、視聴者の「知りたい」「ワクワクする」「ドキドキする」といった感情を刺激するコンテンツです。

“見る価値がある動画” の具体例
・【最強時短術】 プレゼン資料づくりが一気にスピードアップするPCテクニックを公開
・妻の涙腺崩壊…。究極のサプライズプレゼントお見せします
・深夜1時まで起きてる価値アリ 寝台列車からの車窓が絶景すぎて○○だった

どうでしょうか。上記の例のような動画はまさに、「知りたい」「ワクワクする」「ドキドキする」といった感情を刺激するものではありませんか。感情を刺激するものとして、ほかにも「開封動画」といわれる動画ジャンルがあります。福袋やトレーディングカードなど中身がわからない商品を箱から取り出すことで、視聴者に「ワクワク」「ドキドキ」を味わってもらう動画として一時期人気を集めました。

このようにYouTubeでは大掛かりな仕掛けやものすごいお金をかけた動画でなくても、再生回数を稼ぐことができます。つまり、“見る価値がある動画”を作るために大切なのは資金ではないということ。むしろ、「知りたい」「ワクワクする」「ドキドキする」といったコンテンツを生むアイデア=企画力こそが大切なのです。

実際、ネイティブ英語を習得する技術や、簡単にダイエットできる食生活、スマホアプリの裏技などといった動画内容が定番で人気を集めています。これらの動画は顔出しなしでも十分に成立します。再生回数や再生時間を稼ぐために企画が最も重視されることは、顔出しなしの隠れYouTuberがYouTube市場で勝負できる理由のひとつになっています。

隠れYouTuberの動画にはどんなジャンルがある?

では、視聴者が“見る価値がある”と思う企画はどのように作ればいいのでしょうか。

まず、企画を考える前に投稿する動画のジャンルを決めます。最近は顔出しなしのYouTubeチャンネルが増えてきています。本稿上では、代表的な2つのジャンルをご紹介しましょう。

 Vlog動画】

Vlogとは、日常報告をする動画です。わかりやすくいえば、日記の動画バージョンです。Vlogは配信者のライフスタイルを動画にしており、一例を挙げると下記の通りです。

Vlog動画の具体例
・仕事や学校の話・家庭や恋愛の話
・料理やインテリアの話
・ゲームやスポーツの話

たとえば、毎日のお弁当を作る様子はVlog動画に分類されます。手間のかかる逸品を作るのではなく、ちょっとしたコツでお弁当の見栄えがよくなる方法だったり、時短のお弁当術といった内容が投稿されます。

Vlog動画に共通している点は、自分のライフスタイルを動画にして報告することです。Vlog動画が人気を集めているのは、リアルではわからない他人の生活の一部を知りたいと思っている人が多いからでしょう。言葉を選ばずにいえば、「他人の生活をのぞき見したい」という気持ちがあるからです。

上記以外にも変わったジャンルには、「ニート動画」という種類があります。仕事に就かない35歳くらいまでの人をニートと呼びますが、あえて自宅でのだらけた生活風景を配信する人をニート系YouTuberと呼びます。ニート系YouTuberはグダグダとお酒を呑む生活を配信しているだけ。それなのに高い再生回数を誇る動画も少なくありません。これもやはり、「他人の生活をのぞき見したい」という気持ちが大きく影響しているのでしょう。

◆撻魯Ε帖柴芦茵

ハウツー動画とは、商品やサービスの使い方を手順つきでわかりやすく説明したコンテンツのことです。

ハウツー動画はWeb検索するときに文字(テキスト)ではなく、動画で解決策を見つけようとする「動画検索」の文化が根づいてきたことで定番となりました。たとえばパソコンのショートカットキーは、ネット記事や書籍で覚えるよりも、キーボードを押すシーンを見ながらのほうが理解しやすいという人もいるでしょう。ハウツー動画は細分化すると下記に分けられます。

ハウツー動画の種類
・PCをはじめとしたガジェット動画
・楽器やスポーツなどの特技動画
・英会話などの語学動画
・DIYなどの工作動画

上記以外にも、「なにかの方法」を説明する企画はすべてハウツー動画です。YouTube上にまだアップされておらず、一定の需要が見込めるハウツージャンルを見つけられれば強い訴求力を持つでしょう。

ただし、ハウツー動画を作るためにはその分野について深い知識が求められます。専門的な職種に就いている人などは、本業での知識を生かして動画を制作してみるのもひとつの方法です。

ちなみに、ハウツー動画ではすぐ解決しなくてはいけないという緊急性のある悩みは高い再生回数を期待できます。たとえば「壊れたファスナーを30秒で直す簡単な方法」という動画は、公開してから1年間で再生回数が22万回を超えていたりします。

最初からチャンネル名でジャンルを絞らない

動画ジャンルの主な種類を理解できたら、次はYouTubeのチャンネル名を決めます。

多くの人は「ソロキャンプマニア」「ギター特訓チャンネル」「英語教室チャンネル」のように、配信したいジャンルをストレートにチャンネル名に入れようとする傾向にあります。

実際、YouTubeを始める人に向けた多くの書籍では、動画投稿を始める段階からチャンネル名を限定したジャンルに絞ったほうがいいと書かれています。その理由は配信する動画のテーマにブレが生まれると、視聴者が離れていくためだとされています。

ですが、私は最初からチャンネル名でジャンルを限定するのは賢い手法ではないと考えています。なぜなら、チャンネル名でジャンルを限定しても、人気のある動画を配信できるとは限りませんし、もっといえば、実際に投稿してみたらそのジャンルは苦手だったということも起こり得るからです。

最初にチャンネル名を決めてしまうと、そこにとらわれることになり、自分で自分のチャンスを狭めてしまう危険性があるのです。

自分に合ったYouTube動画運営を確実にするためには、チャンネル名は2段階のステップを経て決めていきましょう。

まず、第1段階では自分に合った動画ジャンルを探します。

たとえば、最初は趣味の工作をテーマに投稿してもなかなか動画が伸びなかったため、今度はペットのインコを撮影して投稿したところ、急に再生回数が伸びたというケースも考えられます。

そのため、第1段階では幅広い動画に対応できるアバウトなチャンネル名をつけます。最初は投稿ジャンルを限定せずに、さまざまなことに挑戦しながら隠れYouTuberとしてのスタイルを作っていくのです。自分のあだ名やハンドルネームのようなチャンネル名にすれば、親しみやすく動画ジャンルが限定されないので、オススメです。

再生回数が明らかに増えた時点でチャンネル名を変更

第1段階では、動画のジャンルを限定せずに幅広いジャンルの動画を投稿します。実際に動画を投稿していくと、「こうしたほうが面白くなる」「こうしたほうが自分らしい」など、さまざまな発見や工夫が芽生えてくるものです。


試行錯誤するうちに「こういう動画だと再生回数が伸びる」「こういう動画だと視聴者は見てくれない」などといった傾向も見えてきます。そうして自分に合った動画スタイルを手探りしながら進めていくと、再生回数が明らかに伸びるタイミングがあります。

それまで数百回だったのが、コンスタントに3000回以上の再生数が続くようになれば、チャンネルは軌道に乗ったといえるでしょう。このタイミングで第2段階へと移ります。投稿するジャンルを決めて、チャンネル名をより絞り込んだ名称に変更するのです。この時点では、動画投稿を始めた頃とは違って自分に合った動画ジャンルやスタイルがわかっているはずです。

ここまで、顔出しなしのYouTube動画で活躍するためのポイントを説明してきました。とくに動画ジャンルの選定やチャンネル名の付け方はYouTubeチャンネルを運用していくうえで基本となる部分です。自分らしい動画チャンネルをつくれるようにしっかり決めていきましょう。

(木村 博史 : クリエイティブ・ディレクター)