え⁉ 色鉛筆で描いたの? 神ワザを持つ作家12人の「超・色鉛筆アート展」神戸ファッション美術館

誰もが一度は手にしたことがある身近な「色鉛筆」。SNSで作品を発表し、いわゆる「バズった」超絶技巧の作家など、12人の色鉛筆画家にスポットを当てた特別展「超・色鉛筆アート展〜神ワザ12人の彩りスタイル」が、神戸ファッション美術館(神戸市東灘区)で開かれている。2023年11月5日(日)まで。

写真のように見える・・・近づくと1本1本の線が丁寧に描き込まれ、塗りこまれたものだとわかる。会場に並ぶ120点は、どれも作家の渾身の作品ばかりだ。色鉛筆と言うと、誰もが一度は手にしたことがある身近な存在。油彩や水彩とは違う扱いやすさや、色を重ねた際にできる色や力加減によって変わる濃さなど、自由自在に調節できる。本展ではそんな特長を生かした色鉛筆の可能性に迫る。

食べることが大好きだという「ぼんぼん」さんの作品は、食べ物を描いたものが多い。ハンバーグからでる油の質感や、たこ焼きにかけられたマヨネーズのリアル感など、音や香りも届いてきそうだ。


ペットのポートレイトを描く「miwa kasumi」さん。色鉛筆だからこそできるぼかしや光の陰影を表現している。
音海はるさんの作品は、「目」に力がある。「モデルとなる動物たちは止まってくれないので、一瞬を記憶して思い出しながら」描くそうだ。


林亮太さんが本展のために描いたという「春色楼台図(はるいろろうだいず)」。赤・黄・青・白・黒の5色で春の景色を表現した。

「私たちが色鉛筆を使うと、白の色鉛筆の減りが遅くないですか?でも白を多用する作家が多いように感じるんです」とは神戸ファッション美術館の西山桂子さん。例えば弥永和千さんの「神鹿の森」では中央の白い部分をよく見ると白のラインが描き込まれているのがわかる。他にもネコのひげも白が使われている。作品はどれも「一瞬」を切りとったもの。でもその前後の動きや音まで伝わってくるようだ。




会場には、作家たちが愛用する画材や、作品の制作過程がわかる映像も展示され、作家たちの神ワザを見ることができる。


西山さんは「ぬり絵やお絵描きで色鉛筆を使った人は多いはず。今回作品を展示した12人はそれをアートに昇華させた人達。身近にある色鉛筆の可能性を感じ取ってもらえたら」と話す。
同時開催のドレスコレクション展は、1910〜20年代のファッション誌を彩った版画技法「ポショワール」を紹介し、当時の4大ファッション誌の版画250点と、同時代に活躍したシャネルやランバンなどの豪華なドレスを展示する。

特別展「超・色鉛筆アート展〜神ワザ12人の彩りスタイル」
2023年9月9日(土)〜11月5日(日)
休館日:月曜日、10月10日(火)(ただし、10月9日(祝・月)は開館)
神戸ファッション美術館(神戸市東灘区向洋町中2-9-1)
観覧料 一般 1000円
65歳以上・大学生 500円
高校生以下 無料
http://www.fashionmuseum.jp
