竹下佳江氏(写真:ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』)

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 9月16日から24日まで「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」に臨んだバレーボール女子日本代表の戦いについて、元日本代表のセッター・竹下佳江氏がラジオ番組で振り返り、感想や今後への期待などを述べました。

番組パーソナリティーの竹下佳江氏(右)と福士幹朗(写真:ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』)

 今回のワールドカップバレーでプールBに属していた、日本代表「火の鳥NIPPON」。日本(東京)開催となった大会では、地元の大声援を力に、ペルー、アルゼンチン、プエルトリコ、ブルガリア、ベルギーとの最初の5試合を1セットも落とさず5連勝。勢いよくランキング上位との対戦に挑みましたが、トルコ(1位)に1-3と惜敗すると、最終戦ではブラジル(4位→3位)とフルセットの激闘の末に2-3と敗北。5勝2敗、勝点16という結果で8チーム中3位になり、この結果、同大会2位以内が条件だったパリ五輪出場権は得られず。五輪出場の行方は来年に持ち越しとなりました。

 現地で中継の解説を務めた竹下氏。自身がパーソナリティーを担当するラジオ番組(ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』2023年9月25日放送回)で、現場の雰囲気や、生で見て肌で感じたこと、経験を踏まえた思いなどを熱く語っていました。

 今回、日本女子は悔しい結果に終わりましたが、竹下氏は「この大会でタフになったと思うし、彼女たちからもらったパワーはすごいものがある。五輪切符をとらせてあげたかった」と、チームの戦いぶりを評価したうえで、選手たちをおもんぱかっていました。ここでは、番組内で放送に乗りきらなかった内容も含めて、竹下氏の感想や今後のチームに期待する思いをつづります。

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――大会に入る前に選手と話したとのことですが……。

【竹下】 結構、詰めた練習をしていたようで、その流れで大会に入っていったんですね。眞鍋政義監督も「最高の練習をした」と送り出しているんです。なので(その言葉通り)前半戦(最初の5試合)はストレートに決めてくれて、見ている人も気持ちよかったんじゃないでしょうか。選手も最高のコンディションだったと思います。

――大会が始まる前から後半のトルコ、ブラジル戦を大一番とみていた?

【竹下】 監督はもちろんですが、選手たちもやはり後半戦のトルコ戦、ブラジル戦は一番大事と集中力を高めていましたね。

――トルコ戦の1セット目、竹下さんはワクワクしたとのことですが。

【竹下】 あれだけコンディションを整えて最高の状態ですよ。ワクワクします(笑)。ランキング1位のチームに対して、どう戦っていくのかといったところも楽しみでしたので、始まった瞬間、とても高揚しました。

――試合前から話題になっていたサーブは実際どう感じましたか?

【竹下】 サービスエースを取れる回数は増えましたよね。やはり良くなってきていると思います。しかし、その分ミス率も……。そのミス率を下げることは間違いなく今後の課題ですね。

――そのほか、竹下さんが感じた今後の課題とは?

【竹下】 先ほど話したサーブのミス率はもちろんですが、20点目以降の試合を取り切る戦い方。後半の直接失点ですね。ただ、それは選手が一番感じて苦しんだと思います。これから数字としてのフィードバックもあると思うので、(データと)向き合っていくと思います。

――今回の結果や、チーム、眞鍋監督の様子について。

【竹下】 悔しいですよね。でも、やっぱりコートに立っていた選手たち、監督を含めて、チームのみんなはもっと悔しいですよ。でも、監督はその悔しさからの(チームの)成長を期待していると思います。あと、あの人はただでは終わらないといいますか……(笑)、先を見据える力がすごいんですよ。ここからどうやって組み立てていくのかという方向にすでにシフトチェンジしているんじゃないかなと思います。ポジティブに勝てるように前向きに捉える人ですから!

――最後に、パリ五輪出場を目指す女子日本代表に期待することは?

【竹下】 ランキングを上げていけば、まだパリ五輪への出場の可能性はあります。ただ、口で言うほど簡単なことではないですよね。なかなかハードです。気になるのは中国が出場権を取っていないというところ。まだまだパリ行きが決まっていない強豪はたくさんいますし、これから(日本も)必死な戦いが続くと思います。維持するのも大変なのにさらにパワーアップも必要。ここで出場権が取れなかったのは非常に悔しいですが、日本中に勇気をくれた戦いでした! 気持ちにメリハリをつけて、次に進んでほしいです。

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 今後の女子バレーボールのパリ五輪出場については、「FIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)2024」の予選ラウンド終了時点のFIVB世界ランキングで、すでに出場権を獲得した7か国(ドミニカ共和国、セルビア、トルコ、ブラジル、アメリカ、ポーランドと、開催国のフランス)を除く上位5か国に出場権が与えられます。そのランキングについて、女子は2024年6月17日に確定します。

 なお、出場チームの優先権は、(1)出場権を獲得した国がない大陸(アジア・オセアニアと、アフリカ)の国、(2)出場権を獲得していない国となっています。日本は現在ランキング上位の中国(6位)を上回ってアジア最上位になるか、上回れなくても(2)にあたる残り3枠に入ることが、パリ行きの条件となります。

※ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』2023年9月25日放送回より