わずか2分間での同点&逆転弾…福岡でシャドーに挑戦するFW紺野和也「少しずつ良くなっている感覚がある」
[9.23 J1第28節 柏 1-3 福岡 三協F柏]
敵地での1戦で、相手にペースを握られて先制を許してしまったアビスパ福岡。チームを救ったのは、左利きのアタッカーだった。
後半9分、左サイド深い位置でスローインを獲得すると、ボランチのMF前寛之が入れた縦パスをMF金森健志のフリックからFW山岸祐也が柏守備陣の背後のスペースへ。FW紺野和也はボールをコントロールすると、左足でゴールに沈めた。
「1トップ2シャドーの良い距離感と、3人目の動き出しは練習で多くやってたので、それがそのまま良い形で試合出たと思います」と狙い通りの形だったことを明かす紺野。1トップの山岸、2シャドーの金森と紺野の3人による崩しに、柏守備陣は対応しきれなかった。
同点からわずか2分後、再びゴールを陥れたのも福岡の背番号8だった。DF前嶋洋太の縦パスはDF犬飼智也にインターセプトされてしまったが、前嶋が自らボールを奪い返し、山岸にボールを預けると、山岸は背後へスルーパスを送る。ペナルティエリアに進入した紺野は、逆足でシュートモーションに入る。「右足で自信がなかったので、思いっきり振り抜いて入ってくれっていう気持ちで」放たれた豪快なシュートは、GKの頭上を抜きこの日の決勝点となった。
法政大時代にFW上田綺世、MF三笘薫、MF森下龍矢らとともにユニバーシアードで世界一に輝いた紺野は、2020年にFC東京に加入。3年目の2022シーズンは先発と途中出場を繰り返しながらも30試合に出場していた。しかし、2023シーズンからの福岡への移籍を決断した。新天地での手応えも感じているという。
「福岡に来るまではシャドーをやったことがなかったので、最初はやっぱり違和感がずっとあったんですけど、最近はだんだんと立ち位置だったりに慣れてきて、映像を見たりして少しずつ良くなっている感覚があります。シャドーとサイドハーフ両方できれば選手としての幅も広がると思うんので、シャドーをある程度できるようになったのはひとつ成長した部分です」
プロ入り後初の1試合2ゴールに、「あんまり得点を決められていなかったんですけど、今日2点とれてよかったです」と紺野は笑みをこぼした。
(取材・文 奥山典幸)