育休中の夫に不満爆発!敗因は役割分担を決めていなかったこと。どう解決した?<漫画>

元ADの現役テレビ局員、真船佳奈さんのコミックエッセイ『令和妊婦、孤高のさけび! 頼りになるのはスマホだけ?!』(オーバーラップ)。妊娠中のつわりの辛さ、夫とのすれ違いなどが赤裸々に描かれており、ネット書店の総合ランキングで国内3位となるなど大きな反響を呼んでいます。

前回は、真船佳奈さんに妊活や妊娠中のお話しをしてもらいました。今回は、6話を紹介、後半では産後ケア施設の利用や産後の夫との関係性の変化について聞きます。

◆1人で戦っていたコロナ禍の出産

――真船さんはコロナ禍での出産でしたが、立ち会いや面会ができない大変さはありましたか?

真船佳奈さん(以下、真船):コロナ禍以外の出産を体験していないので比べられないのですが、ずっと1人で戦っているみたいな感じがありました。

母親学級も禁止で、病院は個室なのでほかの妊婦さんとも語り合えない。

出産した時は分娩台の脇にスマホをセットすることができて、夫と通話しながら産みました。無痛分娩だったので通話が始まった頃には痛みが引いていて、麻酔を入れる前に陣痛でのたうち回っていたのに夫はその姿を見ていない。仕方ないことなのですが、夫に対して「本当に辛いところは見ないで、出産のハイライトだけ見ているなあ」というさみしさがありました。陣痛中に夫に腰を揉んでもらったり、夫婦の共同作業を通して出産するというのに憧れはあったので残念な気持ちが少しありましたね。

産後も、ふにゃふにゃの新生児を渡されて、どうしたらいいのか分からない中、全部1人でやらなければいけないのも辛かったです。

――“夫は勤務先の部署で初めての男性の育休を取った”と描かれていました。

真船:なかなか休めないくらい忙しい部署だったし、育休を取る男性がそれまでいなかったので1ヶ月間の育休を申請するのはすごく大変だったらしいです。あまり自分のことを話さない人なので、そんなに苦労したんだと後から聞いて知りました。

◆産後クライシスの原因は?

――夫婦で新生児の育児をする中で、いわゆる「産後クライシス」になっていくところがリアルでした。

真船:当時は夫が私と同じ思いで育児をしてくれないことに腹が立っていました。でも、私が不満を爆発させたあと夫と話し合ったことで「私とは育児の捉え方が違うだけだったんだ」と理解することができたんです。

私は“母乳じゃなきゃ”とか、“授乳中は子どもの目を見る”とか、子育ての1つ1つのタスクを全部ちゃんとやらなければいけないと思っていたんです。夫の方は「この先長いんだから可能なペースでやればいいんじゃない」という考え方。

でも夫がリラックスしながら育児をしているところを見ると、私は必死すぎてリラックスなんかできなかったし、夫に「思いつめすぎてるんじゃない」と言われても「育児はちゃんとやってたら、思いつめちゃうものだよ!」と思ってしまい、どんどん気持ちがすれ違っていきました。

――第一子だと特に、どうやって手を抜いたらいいのか分からないですね。

真船:他の人がどのくらい手を抜いているのか、コロナ禍なので聞けないことも大きかったかもしれません。スマホで調べると、完璧な離乳食の写真や、「手を抜くと大変なことになる」系の情報がどんどん出てきて、「愛着障害」の4文字におびえていました。

今考えると、「そのくらいで愛着障害になるなら世の中の人全員グレてるよ!」と思えるのですが、当時は情報に踊らされていましたね。もっと早く他のお母さんに出会って「ここは適当でいいよね」という話ができたらよかったなと思います。

◆役割分担を決めていなかったのが敗因

――育休中の夫との役割分担は決めていたのでしょうか?