婚約者のお母さんに兄の職業を言うと、態度が一変!理由を聞くと…

 結婚間近だった彼から、まさかの理由で婚約破棄をされた……。そんなつらい体験をしたのは、近藤千絵さん(仮名・34歳)。

「結婚は両家の身内も関わってくるものだと分かってはいましたが、まさかあんな理由で婚約破棄になるなんて、びっくりしました。でも、彼に未練はありませんね」

マッチングアプリで出会った年下男性との交際がスタート

 職場の後輩が次々と結婚し始めたことで危機を感じた千絵さんは、マッチングアプリを利用。好みの年下男性との出会いを期待しました。

 しかし、「いいな!」と思える相手とは、なかなかマッチングできず……。30歳を超えた自分を求めてくれる男性なんているのだろうかと不安になった日もあったと言います。

 そんなある日、「雰囲気がすごく好きです」とのトークと共にスペシャルないいねをくれたのが、5歳下の勇樹さん(仮名)。

 勇樹さんは、もともと年上の女性が好きだったよう。2人は共にサ活(サウナ活動)が好きだったことから盛り上がり、意気投合。4回のデートを経て、交際がスタートしました。

「趣味だけじゃなく、好きなものも似ていたので一緒にいて楽しかったです。出会えてよかったね、アプリのおかげだねって、よく話していました」

 交際開始から1年後、子どもが欲しいことから年齢的に結婚への焦りが募っていた千絵さんは、勇樹さんに逆プロポーズ。驚きつつも、勇樹さんは「僕でよければ」と承諾。結婚の意志を固めた2人は、互いの両親に挨拶へ行くことにしました。

◆兄の職業を馬鹿にしてきたカレ母に怒り!

 まず挨拶に行ったのは、勇樹さん宅。「うちの母、ちょっとクセが強いけど、根はいい人だから」と事前に言われたことで、千絵さんはド緊張。少しでも印象を良くしたいと思い、カレ母の好みのお菓子を手土産として持っていきました。

「玄関を開けた時、カレ母は自分が好きなお菓子の袋を見て、ご機嫌でした。『気遣いがしっかりできる娘さんなのね』とウキウキしていましたね」

 しかし、ダイニングテーブルに着き、家族の話になったところで空気は一変。家族構成を聞かれた後、兄の職業を尋ねられたため、「鳶(とび)職です」と答えると、カレ母の顔に変化が。笑みが消え、「そんな仕事をしている人と家族になりたくありません。この結婚は認めませんので、もう帰ってください」と言われてしまいました。

◆「両親に認められなくても結婚しよう」と彼に言うと……?

「なぜ、鳶職が嫌なのか理由を聞いても、答えてくれませんでした。ただ、粗暴な人が多いから怖いでしょとは言われました。私の兄はすごく優しいですし、鳶職の人に対する偏見に腹が立ちました」

 顔合わせ後、彼からは「本当にごめん!」との謝罪が。彼の母に対する怒りはあったものの、彼との結婚を諦めたくなかった千絵さんは、「両親に認められなくても結婚しようよ。私、あなたと一緒に生きていきたい」と気持ちを伝えました。

 ところが、彼の口から出たのは「それは無理だよ……」との期待外れな返事。「母を説得することはできないし、僕はお互いの親から祝福される結婚がしたいんだ」と言われ、別れを切り出されてしまいました。

◆親の意見を優先する人とは一緒になっても後悔するはず

「すごく悲しかったけど、母親に逆らえない人だってことが早めに分かってよかったです。結婚相手より、自分の親の意見を優先するような人と一緒になっても苦労するのは目に見えていますしね」

 そう思えるようになった千絵さんは、現在も婚活中。元カレよりも素敵な年下男性との結婚を夢見ています。

 結婚は互いの身内も関わってくるため、一筋縄ではいかないこともあるもの。千絵さんのように、第三者の歪んだ価値観によって引き裂かれてしまったカップルは意外に少なくないのかもしれません。
<取材・文/古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291