27日、“アベ本”を掲げて、安倍首相について語る立花隆氏。(撮影:徳永裕介)

写真拡大

評論家の立花隆氏は27日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、安倍晋三首相について自民党発足時から悲願だった改憲を打ち出していることなどを挙げて、「彼は先祖返り的な側面を持っている」と語った。

 立花氏は安倍首相について、「基本的に、戦後の日本国家は間違っているという立場。アメリカが作った憲法をそのまま受け入れたことが間違いの元だとと考えている」と指摘。安倍首相の祖父に当たる岸信介元首相やその後の自民党の政治家は改憲の意思がありながらも世論に受け入れられなかったが、近年は世論の風向きも変わり、初めて現実の政治の上で実現できる状況になったと考えているという。

 一方で、安倍首相は小泉前首相の後継者という側面もあると話し、「憲法改正も、最初の発端はすべて小泉前首相の時に出ている。安倍内閣では小泉氏が考えていたことを、次々と制度的に実体化していくだろう」と語った。

 また、安倍内閣の最大の特徴は対北朝鮮政策で強硬姿勢を打ち出していることだとも強調。圧力をかけ続けた結果「金正日政権の崩壊をもたらして世論から英雄視され、長期政権になる可能性がある。一方で、引くに引けなくなり、内閣全体が駄目になる可能性もある」との見通しを示した。【了】