アウェーの雰囲気の中で白星を挙げた日本。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 ほんのわずかな間だけだったが、驚きの光景だった。

 森保ジャパンは9月12日に行なわれたキリンチャレンジカップでトルコ代表と対戦。4−2で勝利を挙げている。

 中立地であるベルギーのヘンクで開催されたこの一戦には、7202人の観衆が訪れた。ファンの割合で言えば、日本3割、トルコ7割といったところか。ただ、熱狂的な相手サポーターが図太い声でチャントを歌い、“完全アウェー”の雰囲気を作り出していた。

 だが、15分に伊藤敦樹の豪快なミドルシュートで先制した日本が、28分、36分と中村敬斗の2得点でリードを広げると、会場の空気が一変した。

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 3点目の直後、なんとトルコのサポーターは、自軍のボールを持つと大ブーイングをし、日本のパス回しに「オーレ、オーレ」と大合唱をしたのだ。

 ほんの2分程度だったかもしれない。ただ、それは異様な雰囲気だった。

 日本への「オーレ」は、不甲斐ないトルコへの叱咤や嫌味の意味だったのだろう。ただ、前半で3点目を奪った日本への賞賛も含まれていたと思う。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)