堂々完結! 英語力ゼロだったバツイチおじさんが世界23か国、2年と8か月も続けた「世界一周花嫁探しの旅」をやめる本当の理由〈最終話〉

―[《祝単行本化》「バツいちおじさん、世界一周花嫁探しの旅」リターンズ]―
突然、嫁さんにフラれて独身になったTVディレクター。御年、46歳。英語もロクにしゃべれない彼が選んだ道は、新たな花嫁を探す世界一周旅行だった――。当サイトにて、2015年から約4年にわたり人気連載として大いに注目を集めた「英語力ゼロのバツいちおじさんが挑む世界一周花嫁探しの旅」がこの度、単行本化される。本連載では描き切れなかった結末まで、余すことなく一冊にまとめたという。その偉業を祝し、連載第1回目からの全文再配信を決定。第1回からプレイバックする! * * *
2015年10月から始まった46歳のバツイチおじさんによるノンフィクション巨編「世界一周花嫁探しの旅」ですが、今回でついに完結! 前回、パリの地下鉄で元気いっぱいスられてしまい、無一文になってしまったバツイチおじさん。旅の続行が不可能となり、「帰国」の二文字が頭をよぎりましたが……。果たしてどのようにしてこの窮地から抜け出したのか? 世界23か国にまたがって繰り広げた恋するズンドコ中年の自分探しの旅、最終回は「花嫁探しの旅をやめる理由」をすべて明かします!
【最終話 さよなら、バツイチおじさん・後篇】
パリで財布をすられ、まさかの無一文。この最大のピンチです。「旅を中止し、日本に帰国する」ことが頭をよぎりましたが、でもとりあえず、今できることをやるしかありません。まず宿の中国人オーナーにお願いし、クレジットカードの再発行が終わるまで支払いを待ってもらいました。次に多少持っていた他国の通貨を旅人に両替してもらい、少しばかりのお金をゲットしました。宿はパリで最安の20ユーロで朝晩ごはんがついているドミトリーに泊まっていたため、食事はそれだけでまかないました。どうしてもお腹が空いた時は、フランスパンと水を買ってきてお腹を膨らましました。
カード会社に電話すると、VISAカードは都会だと緊急カードというのを発行してくれるらしい。パリにはVISAの支社があるようで3日でキャッシングもできる緊急カードが届くそうです。しかし、パリの郵便物は日本ほど正確に届くわけでもなく、ものすごく遅れたり、時には来なかったりするとか。とりあえず緊急カードの発行を依頼しました。
また、ピンチな状況をFacebookで公開したところ、世界中の友達から「Western Unionでお金を送金してあげる。大丈夫だよ!」とメッセージが入りました。みんなの優しさに感動して涙がちょちょぎれそうになりました。お金を貸してくれる友達が世界中にできたことがとても嬉しかったのです。
結局、6日後にVISA緊急カードが届き、約3週間後には日本で再発行してもらったカードが届き、なんとかこの旅最大のピンチを脱出することができました。ちなみにその中国人宿には日本人が多く泊まっていたのですが、俺のいた3週間でかなり旅慣れた人も含め、7人がパリの街で財布か携帯を盗まれました。パリに旅行する方はご用心くださいね。
やっとカードとお金が手に入ったので、パリを後にし、モンサンミッシェルを写真に収めた後、世界で一番大好きなブルゴーニュワインを飲むためブルゴーニュ地方のボーヌという村に滞在することにしました。ワイン好きな人ならよく知っている映画「ブルゴーニュで会いましょう」の舞台となった村です。
パリの宿で出会ったブルゴーニュに住んでいるソムリエとボーヌ村のワインバーで待ち合わせし、無料でロマネコンティなど複数のワイン畑や醸造所を案内してもらい、ワインの味わい方、飲み方、勉強の仕方などの基本的なワインの知識を教えてもらいました。