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空前の賃上げムードが広がっているが、長らく「稼げない」と言われる業界にも1000万円プレーヤーはいる。なぜ、ここにきて大きな地殻変動が起きているのか? また、ベースアップの潮流はさらに広がっていくのか、専門家に話を聞いた。
◆’23年の昇給額はバブル時代の水準に

ここ最近、「人手不足」による人件費の高騰が盛んに報じられている。だが、大幅なベースアップを実現できているのは一部の大企業ばかり。慢性的に賃金を低く抑えられている業界にも広がるのか。

「コロナ以降の求人難や物価高を背景に人材確保のため、大幅な昇給や初任給の引き上げに踏み切る企業が地方の中小企業でも相次いでいます。’23年の昇給額は例年の倍近い額となりました。これはバブル時代の水準です」

そう話すのは、企業経営者向けに給与制度セミナーを行う給与コンサルタントの北見昌朗氏。

◆高卒初任給20万円の時代に突入

実は、「薄給」と呼ばれる業界でもここにきて大きな地殻変動が起きているという。

「昇給が目立つなか、今年度の最低賃金引き上げに向けた議論で39円増の“全国平均1000円”の達成が焦点となっている。東京都では、39円増だと1111円となり、相当数の企業が初任給の引き上げを迫られることになる。高卒初任給が上がると全体が底上げされることになりますが、求人難と物価高、最低賃金引き上げの3要因で、高卒初任給20万円の時代が目前です」(北見氏)

◆薄給な業界でも1000万円の給与を支払う企業が出現

介護、アパレル、保育、美容など平均年収300万円台の薄給とされる業界でも、「できる社員」には1000万円の給与を支払う企業も出てきた。

訪問介護サービスを基軸に全都道府県に事業所を展開する「土屋」、月間個人売高のギネス記録を更新し続けるアパレル販売スタッフを誕生させた「TOKYO BASE」、保育シッター事業を展開する「キッズライン」、全国に69店舗の美容室を展開する「Ashanti」と、枚挙に暇がない。

◆低収入業界でも高給与水準を実現する会社

「土屋」
未経験から入社2年目で年収500万円、ブロックマネジャーになると1000万円を超えるケースも

「TOKYO BASE」
売り上げの10%を給与として還元するスーパースターセールス制度を導入するファッションカンパニー

「キッズライン」
シッターが自由に時給や働き方を設定。独自の育児スキルを持つシッターは4時間で3万2000円も稼ぐ

「Ashanti」
長期の下積み撤廃。歩合制を手厚くし、スタイリストに還元する仕組みで1000万円プレーヤーの美容師が続出

◆60歳を過ぎても持続的な高収入を実現するヒント

一方、人材不足が著しい業界は、中高年層がネクストステージとして選ぶ「再就職先」として注目を集める。

「若い働き手が不足している建築現場の『職人』は、70歳でもスカウトされるほど引き手あまた。同年代のホワイトカラーの給与が抑制傾向にあるなか、60代からの10年で収入に差をつけ、生涯賃金で逆転する時代も見えてきています」 (北見氏)

キャリアはなくても、現場で専門性を磨き、手に職をつける意識さえ高めれば、人手不足市場では十分活躍できる。賃上げムードが高まるなか、どんな業界でも年齢に関係なく年収1000万円を稼げる時代がやってきたようだ。

◆担い手がいない領域で希少人材になれるポイント

  塙イ”の気持ちは高収入のヒント
◆10年も働き続ければ誰でも専門性が身につく
 専門をブラることなくその道の職人になれ!
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【給与コンサルタント・北見昌朗氏】
大学卒業後、中部経済新聞に入社。1995年に独立し、北見式賃金研究所を設立。著書に『これだけは知っておきたい!中小企業の賃金管理』(東洋経済新報社)

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[低年収業界でも[1000万円稼ぐ人]の肖像]―