タイゾーくん 北海道出馬の裏事情
前回の総選挙で大量当選した小泉チルドレンは、小泉首相という「後ろ盾」を失ったいま、拠り所を求めて必死にあがいている。選挙区を持たない比例選出の議員はなおさらそうだ。杉村タイゾーくんの北海道出馬志願の話もその延長線上で、本人は「一歩リード やった!」という気持ちかもしれない。
タイゾー(杉村太蔵)議員が北海道一区の公募に応募書類を提出した----?
週刊朝日でこのニュースが取り上げられて、小泉チルドレンたちの間にうわさはあっという間に広まった。「どうも本当らしい」というのだ。
小泉首相という「後ろ盾」を失って必死
ほとんどのチルドレンはすでに派閥に入っていて、派閥の長の意向に抗うほどのキャリアもないため、総裁選レースに巻き込まれることもなく、平穏な、ある意味で「余裕ある」日々を送っていた。
もちろん例外はいる。「三大勘違い女」と揶揄される、猪口邦子、片山さつき、佐藤ゆかりの3議員である。サプライズで女性を起用する、というのが昨今のはやりだから、「我こそは」という思いがあったのだろう。安倍新総裁への接近ぶりは、目に余るほどであったという。
権力者に対する態度と同期議員に対する態度があまりに違うのも共通した特徴だ。
「彼女たちには近づきたくないですね。『触らぬ神に祟りなし』というのが我々の共通認識。ちょっとでも気に入らないことがあると、キレて大変ですよ」
チルドレンのひとりは首をすくめて、こう語る。
共通しているのは、小泉首相という「後ろ盾」を失ったいま、拠り所を求めて必死なことだ。
タイゾー議員の相手は9期連続当選の大物
タイゾー議員に限らず、選挙区を持たない比例選出の議員たちは、小選挙区での地盤探しに、てんてこまいだ。例えば、比例の名簿が限りなくビリに近かった、鈴木
鈴木議員、まだ選挙区は決まっていないようで、北海道一区へ挙手しただけでも、タイゾー議員的には、一歩リードという気持ちなのかもしれない。自身も旭川市出身で、パパは地元で大きな歯科病院を営んでいるので、縁のある地域だ。とはいえ、現職の横路孝弘議員は、9期連続当選の大物議員。どう考えても、パフォーマンス以外に武器のないタイゾー議員に勝ち目はなさそうだ。
が、この無謀な申し出も、武部勤幹事長あってのことらしい。武部氏といえば、最近では永田町に街宣車が押し寄せ「武部派の立ち上げを画策しています」と批判されるなど、すっかり影の薄くなって、急速に影響力を失いつつある。
小泉チルドレンから武部チルドレンへ、という選択しかないのだろうが、ほとんどの議員が前途多難なことは確かだ。