毎年テーマがなかなか決まらない自由研究

写真拡大

 子どもの夏休みも、残すところ数日となりました。悠々自適な人もいれば、宿題の最後の追い込みをしている人もいるかもしれません。ギリギリまで取り掛からず、絶望しながら家族総出で取り掛かる…といった状況は今あまり見られないかもしれませんが、「読書感想文」や「自由研究」など保護者に負荷がかかる宿題は一定数あります。実際に「夏休みの宿題を見る」ことのどんな部分に負担がかかっているのでしょうか? 保護者の声を集めました。

【夏休みに母が言うセリフ】「宿題やろうね!」朝の余裕ある表情から昼すぎには鬼の形相に…母のボルテージがあがるまで

■「宿題やっていない」夏休み終盤に発覚、親も子もプレッシャーに

 本調査で夏休み期間に疲れた・困った経験のある男女229名に「お子さまの夏休み期間、疲れた・困ってしまった理由」を聞いたところ、約半数の49.5%の保護者が「宿題を見る・手伝う」と回答しました。

 保護者からは「やっていないことが夏休み終盤で発覚して、どっと疲れる」という声も。

「子どもと夏休みの宿題の予定を一緒に立てたが、予定通りにいかず。私は早め早めにこなしていかないと、不安なタイプだが、子どもはマイペースすぎて、大丈夫大丈夫というばかり。結局、夏休みが終わりそうになって、宿題が終わっていないと発覚し、親も付きっきりで、宿題をみるはめになり、気疲れしました」(40代女性/愛知県)

「宿題を全然しないのでこちらが促すと怒り出します。放っておくと本当にほったらかして休みが終わる前日にまだできてないことなど出てきて毎回大変です」(40代女性/奈良県)

夏休みの終わりごろになっても宿題を全然やっていないときどっと疲れる」(30代女性/静岡県)

 親が計画的なタイプでも、子どもまでそうだとは限りません。言いすぎることで険悪なムードになったり、へそを曲げてしまったり、声掛けひとつで子どもの気分は変わってしまいます。やろうとしたら親から声掛けがあってやる気がなくなる…という経験も子どもの頃したはずなのに、いざ親の立場になると声をかけずにはいられない。この時期の大きなプレッシャーとなっています。

■親子で取り組むのが暗黙の了解?「作文」と「自由研究」

 あまりの宿題の大変さに「1人でできる宿題を出して欲しい」(30代男性/青森県)という声も。カロリーの高い宿題も多く、特に「読書感想文」と「自由研究」はいまだ親子で取り組む宿題の二大巨頭のようです。

「読書感想文! これは小さい間は親の宿題みたいなもの。誘導尋問で書かしていく作業と自分も本を熟読しないといけない笑 好みが偏ってる親子には読書は地獄」(40代女性/兵庫県)

夏休みの宿題で、親でも難しい作文の宿題が本当に疲れるし面倒」(40代女性/東京都)

夏休み最終日に自由研究をさせられ、夜中の0時ごろ完成した」(30代男性/愛知県)

「平日は学童に行っているため、自由研究、工作、絵等を土日で仕上げないといけない事。ワーク系も思ったように進まず、兄弟が居る中で子どもの集中力もなかなか続かず、子どもは呑気で自分の気持ちが焦るばかりでした...」(30代女性/鳥取県)

「毎年、自由研究をどうするのか決まらず困る」(50代男性/千葉県)

「宿題が難しくなっているので、こちらも勉強しないといけないのが大変」(40代男性/兵庫県)

■「宿題を見る人が偏らないように」見る人が偏っている課題も

 では、夏休みの宿題における保護者の負担を減らすにはどのようにすればよいのでしょうか。

 見えてきたのは、宿題を見る人が固定されているという課題です。小学生のお子様がいる保護者の47.4%が負担を軽減するものとして「パートナーに見てもらう(宿題を見る人が偏らないようにする)」をあげていました。

 保護者のなかには、お昼ご飯、宿題の丸つけ、夕飯の準備と夏休みの家事の大半を担っている人も。「昼休みに一度帰宅。家と職場が近いので昼休みにいったん帰宅し昼食を食べさせ片付けて午前にやった宿題の〇付けをし会社に戻る日々。普段は昼休みに夕食の買い物を済ませるがそれもできず、夕方買い物に行くのですべての時間が遅くずれる」(40代女性/青森県)。

 少しでも負担を減らすために、「宿題に関係ありそうなイベントに連れて行く (児童館や博物館など)」(24.6%)、「親戚(祖父母など)に頼る」(19.9%)、「親の仕事を休みにする」(16.4%)」、「宿題を見てくれる第三者(家庭教師・シッター)を手配する」(15.8%)、「学校側(担任の先生など)に宿題の量を減らす働きかけをする」(7.0%)といったアイデアもあがっていました。

 近年は、夏休みの宿題を「原則なし」とする学校も。自分で計画を立ててテーマを決めて取り組むことを主軸としており、自由な発想や主体性を育む学習への回帰志向も高まりつつあります。忙しい子は、中学受験の勉強と夏休みの宿題を平行し、さらには習い事をこなしているというケースも今ではよく見られるようになってきました。親だけでなく子どもにとっても、夏休みの時間は限られているなかで、“本当に必要な学習”とは何なのか? 慣例にとらわれず、それを正しく選択できるような、取り組み、各学校の判断にも期待したいところです。

調査対象:OMR会員 20〜60代

サンプル数:回答者全体 2352名 うち、本調査対象(小学生のお子様がいる共働きの方でお子さまの夏休み期間、お子さまとの生活に疲れた・困ってしまった経験がある方) 229名

調査期間:2023年6月21日(月)〜 6月26日(月)

調査手法:インターネット調査

調査機関:オリコン・モニターリサーチ

リンク:http://omr.oricon.co.jp/?cat_id=omr-eltha