戦争・紛争をなくすために読みたい本
まもなく終戦の日。この時期、太平洋戦争の話題が新聞やテレビなどで紹介されています。終戦以来、日本は平和が続いていますが、世界を見渡すと内戦や戦争で苦しんでいる国や、行き場を失った難民の方々が多数いる現実です。8月9日の『つボイノリオの聞けば聞くほど』「SDGsのつボ」では、小高直子アナウンサーと塩見啓一アナウンサーが、戦争とSDGsについて紹介しました。
戦争・紛争とSDGsは真逆の関係
1945年(昭和20年)8月9日、広島市に続いて長崎市に原子爆弾が投下されました。
小高がリスナーからこの件で多くの投稿が届いていると話します。
6日に広島、9日に長崎に原爆が投下後、15日に太平洋戦争が終戦を迎えました。
終戦までの間に全国各地に多くの爆弾が投下され、東京や大阪、名古屋なども大空襲に晒されました。
そして沖縄では壮絶な地上戦が繰り広げられて多くの人が命を落としました。
小高「日本は終戦を迎えてから78年間、戦争をしていませんが…世界での紛争はなくなっていないんですね」
塩見「戦争とSDGs達成とは真逆の動きですよね」
戦争・紛争は、SDGsの理念や目標とは対極のところにあり、今までの努力を全て破壊してしまうものです。
17の目標には、環境問題・人権問題・教育・医療など、どれも国を超えて小さな努力を積み重ねていくものばかり。戦争はそれらの努力を一瞬で壊してしまうのです。
全てを破壊する戦争の怖さ
特にSDGsの目標16は「平和と公正をすべての人に」ですが、戦争や紛争は人々の安心や平和を一度に奪っていく行動。
昨年ロシアによるウクライナ侵攻で、かの国に暮らす人々の平穏な日常生活が破壊され、避難するためにさまよう姿が世界中に報道されました。
「中には、生活が奪われる怖さを実感した人も多いのではないか」と話す小高。
塩見「戦争はいけません、貧困もなくさなくてはいけませんってわかっているからSDGsの目標が掲げられているはずなんですが。それとは真逆なことが行われているということです。残念なことですね」
以前このコーナーで紹介された、戦争が起こる理由をこども向けに解説した本があります。2021年に出版された『SDGsで見る現代の戦争 知って 調べて 考える』(伊勢粼賢治/ 関正雄 監修・共著/学研出版刊)です。
第二次世界大戦後に怒った世界の戦争・紛争の原因や、その後の問題がわかりやすくまとめられているとともに、SDGsの視点から見た影響、SDGsの理念で戦争を防ぐための考え方が示されています。
なぜ戦争や紛争が起こるのかを知り、どうしたら終わらせることができるのかを考えることができるようになっており、次世代を担うこどもたちに読んでもらいたい内容です。
一度始まると簡単に終わらない
小高「考えると空しくなるかもしれませんね。次から次へと起こっていて、考えるのをやめたくなるんですけど、考え続けなきゃいけない」
塩見「戦争は政治だけじゃなくて、経済やその時の世間のムードで人々がどう思うのかなどが絡み合って、起きていることなんで。簡単に終わらせることができない。一番難しいことなんです」
一度始まると簡単には終わらせることができないからこそ、戦争・紛争を起こさないようにしなければならないと話す塩見。
世論を動かすのはわたしたち一人の力では難しいと思うかもしれませんが、少しでも声を上げ、行動することが結果的に大きな力になると締めくくりました。(葉月智世)
つボイノリオの聞けば聞くほど
2023年08月09日11時33分〜抜粋(Radikoタイムフリー)