20日、党本部で就任記者会見に臨む自民党の安倍新総裁(撮影:吉川忠行)

写真拡大

自民党新総裁に選ばれた安倍晋三官房長官は20日夕、総裁選後の就任記者会見で、党役員や組閣などの人事について「適材適所で、老壮青のバランスの取れたチームにしたい」と考えを語った。25日に幹事長、政調会長、総務会長の党三役を決め、26日召集の臨時国会での首班指名を受けて同日中に組閣し、安倍晋三内閣を発足させる。

 会見冒頭で安倍氏は「51歳、初挑戦ということで、身に余る得票を頂いたという気持ち。みなさんの期待にしっかり応えていくことでその責任を果たしたい」と就任直後の感想を語った。また、小泉純一郎内閣の構造改革路線を踏襲し、政治の意志決定力や情報収集分析力、政策立案能力の向上を柱として官邸機能の強化に努める方針を示した。

 臨時国会への対応については「教育基本法を最重要法案として取り組んでいきたい」とし、先の通常国会で継続審議となった重要法案の成立にも意欲を示した。一方、靖国参拝問題や中韓両国との関係に関連する質疑はなかった。

 安倍自民党は、10月下旬に神奈川、大阪で衆院補選、来春に統一地方選、来夏に参院選を控えており、民主党を始めとする野党との直接対決に向けて、リーダーシップが問われることになる。

 安倍氏は会見で、補選について「必勝の態勢で臨む決意」と語った。参院選に向けては総裁の座を争った麻生太郎外相、谷垣禎一財務相らとともに挙党一致で臨む姿勢を強調。「候補者の見直しもあり得る」との発言が議論を呼んだ、候補者選びの方向性については「新しい候補が出てきた段階で、再度点検をしながら、体制がうまく整えられないということであればもう一度見直すこともあり得る。そういう緊張感を持って、戦いを進めていく必要がある」と、見直しの可能性も示唆する考えを改めて示した。

 自民党本部で行われた会見の模様はNHKでも生放送された。【了】

■関連記事
安倍新総裁に街の声
"総裁のイス"に座る安倍総裁
安倍新総裁に財界は「歓迎」
安倍氏の勝利は“人気”を反映
安倍新総裁、両院総会で正式選出
自民、安倍新総裁誕生
【速報】自民総裁選、安倍氏が圧勝