XFN-ASIAによると、生産の遅れが問題になっている欧航空機製造大手エアバスの新型旅客機A380の納入が、さらに最大で6カ月もずれこむおそれが出てきた。仏経済紙ル・エコーが伝えたもので、18日に行われた経営会議で、2007年までの生産および納入機数の下方修正を決めたとしている。同紙はさらに、最初のA380型機は12月にシンガポール航空に予定通り納入される公算だが、実際の運航は来年4月までずれ込む見通しで、仏航空大手エールフランスでは、2009年4月まで運航できない見通しとしている。

  エアバスは、すべての決定は29日に予定されている親会社EADSの取締役会で行われるとし、「現段階では何も決まっておらず、記事は憶測にすぎない」と否定している。EADSは6月、生産遅延のため、A380の納入が少なくとも1年遅れると発表、これをきっかけにEADSのトップ退陣にまでいたる大問題に発展していた。 【了】

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