by NASA/James Blair

2024年後半以降に打ち上げが予定されている有人宇宙船「アルテミス2号」の乗組員訓練課程がスタートしたことがわかりました。NASAにとって、月へ向かう宇宙飛行士の育成は1972年以来、51年ぶりのことです。

For the first time in 51 years, NASA is training astronauts to fly to the Moon | Ars Technica

https://arstechnica.com/space/2023/07/for-the-first-time-in-51-years-nasa-is-training-astronauts-to-fly-to-the-moon/



「アルテミス2号」のメンバーに選出されたのはNASAのリード・ワイズマン氏、ビクター・グローバー氏、クリスティーナ・コック氏、カナダ宇宙機関(CSA)のジェレミー・ハンセン氏。ワイズマン氏が司令官、グローバー氏がパイロット、コック氏とハンセン氏がミッションスペシャリストです。全員が、1972年に月に着陸したアポロ16号より後に生まれており、月を目指す宇宙船の乗組員として初めて女性と有色人種が含まれることになるとのこと。

コック氏(左)、グローバー氏(奥)、ワイズマン氏(手前)、ハンセン氏(右)



by NASA Johnson

4人は2023年4月に乗員に選ばれ、インタビュー対応や国会議事堂の訪問、カナダのトルドー首相との面会など、広報活動をこなしてきました。



by NASA Johnson

今後18カ月は、「アルテミス2号」で必要となる知識や、宇宙空間で遭遇する異常や不具合を解決する能力を身につけることになります。

訓練は2023年6月21日からスタート。主任訓練官であるジャッキー・マハティー氏によれば、まずは月軌道力学の座学から始まったとのこと。

宇宙飛行士らの訓練が進むのに合わせて、ヒューストンの管制センターも乗組員とのシミュレーションに参加することになります。

なお、「アルテミス2号」は月の裏側を経由して地球へ戻ってくる約10日間の有人月周回ミッションで、月への着陸は続く「アルテミス3号」ミッションで行われる予定となっています。「アルテミス3号」のミッションがいつ実施されるかは未決定です。