ESSEonlineに掲載された記事のなかから、6月に読みたいベストヒット記事をピックアップ!

フランス料理のシェフから家政婦に転身し、気軽でおいしい家庭料理レシピが大人気のタサン志麻さん。今回のテーマは「夏をもっとおいしく!」。ここでは、お昼ご飯にもぴったりの焼きそばやパスタを、さらにおいしくつくるコツをご紹介します。いつもの麺料理が、ちょっとの工夫でランクアップしますよ!

伝説の家政婦・志麻さん式!焼きそば&パスタをもっとおいしくつくるコツ

麺のいいところは、そのクイック感。さっとゆでるだけ、炒めるだけでできるので、夜ごはんほど時間をかけたくないお昼ごはんにもぴったり! 献立を考える手間もなく、ひと皿で大満足できるのもうれしいですよね。

簡単だからこそ、少しの工夫でおいしさがランクアップする麺料理。焼きそばやパスタを本格的に仕上げるコツを、志麻さんに教えてもらいました。

 

●焼きそばは「2人分ずつ」がおいしさのポイント

焼きそばは、手軽につくれる夏のお昼ごはんの代表。さらにおいしくつくるための志麻さん流のポイントは、「2人分ずつ」つくること。

「どうせなら、と家族全員分を一気につくりたくなるけれど、おいしく仕上げたいのなら、2人分ずつがおすすめです」(志麻さん)

家庭サイズのフライパンでは、2人分以上の具材と麺を短時間で炒め合わせるのは難しいというのが、その理由。「焼きそばの大敵は“水分”で、それを出さないためには、ぐずぐず長く火を入れず、効率よく炒めるのが必須なのです」

 

●べチャッとさせないコツは、野菜・肉・麺の「別炒め」

また、ベチャッとさせないもうひとつの秘密は別炒め。野菜・肉・麺をそれぞれベストな状態まで火を入れ、最後にさっと合わせます。

「焼きそばに、“一体感”はなくていいんです。別炒めすることで、具材と麺の味の濃淡が際立つおいしさになりますよ」

<おいしい焼きそばをつくる4つのコツ>

(1) 野菜を炒めてざるにあげる

多めの油でコーティングするようにさっと炒め、ざるにあげて余分な油をきる。塩けを入れると水分が出るので、野菜には味つけ不要。あとで肉や麺に味をつけるから問題なし。

(2) 肉や魚介を炒めてざるにあげる

肉や魚介(とくに肉)は塩でしっかり味をつける。野菜とは火が通るまでの時間に差があり、一緒に炒めると野菜に火が入りすぎて水けが出てベチャッとするので、ここでもあえての別炒め。(1)と同じざるにあげて。

(3) 麺を香ばしく焼きつけ、味つけをする

麺はカリッと仕上げたいから、単独でこんがり焼きつける。おいしい焼き目をつけるコツは、できるだけいじらないこと。味つけは程よく。

(4) 具を戻し入れ、麺と混ぜ合わせる

麺が焼けたら、具と合わせる。肉はしっかりめの味がつき、麺は程よく適度に。野菜は素材の味だけで、混ぜたときに肉や麺の味つけがほんのり移るぐらい。口にしたときに、このバランスが「おいしい!」の理由になって、最後まで飽きずに食べられる。

●パスタをおいしくつくるカギは「ゆで時間」と「乳化」

パスタをさらにおいしくつくるためのポイントは、「ゆで時間」と「乳化」。

「まず、ゆで時間は表示より短めに。これは、フライパンで具材やオイルとからめる時間を計算に入れて仕上げたいから」

さらに、焼きそば同様、パスタも具材やオイルをまんべんなく手早くからめるために「2人分ずつ」つくるのがおすすめ。

オイルと水分を一体化させる「乳化」も、おいしいパスタをつくるためには大切です。油っぽいと感じる人もいるオイルベースのパスタも、乳化さえできていれば、まろやかになるんです。難しいといわれる乳化ですが、志麻さんのやり方なら失敗しらず!

ここでご紹介したコツは、どれも簡単にできるものなので、ぜひ麺料理をつくる際に試してみてください。

『a table SHIMA vol.02 夏号』(扶桑社刊)では、家族がよろこぶ夏ごはんやひんやりおやつの詳しいレシピに加えて、ナス&キュウリレシピ、コストコ活用術など、たっぷりと紹介。現在、最新号『à table SHIMA vol.4 春号 2023』も発売中。