この記事をまとめると

■エキサイティングな生活を送りたい高所得者へオススメなSUVを紹介

■最高速度が300km/h以上に達するモデルも

■アウトドアなどの際に役に立つ外部給電機能を備えたモデルは少ないのでご注意を

ハイパフォーマンスSUVで刺激的な生活を

「エキサイティングな生活を送りたいと思っている富豪家族におすすめの、ファミリーカーとしても使えるバカっ速SUVを何台か挙げて解説せよ」との電報が、筆者が暮らす長屋に届いた。

 ……こう言っては大変失礼だが、WEB CARTOP編集部は頭になにか虫が沸いているか、もしくは生霊のようなものに祟られているのではないか?

 富豪ではなく、富豪の友人もいない私が、富豪ファミリー様を相手に「バカっ速SUVの魅力と、それがもたらすだろう魅惑の毎日」などを“解説”できるわけがないではないか。そもそもバカっ速SUVなんて、ちゃんと乗ったことがあるのはベントレー・ベンテイガの広報車だけだし。

 でもまぁ良い。もらうモノさえもらえれば、何だって書く私である。富豪ファミリー様に今おすすめしたいバカっ速SUVと、それがもたらすエキサイティングな生活を、いちおう考えてみることにしよう。

 今さら言うまでもないはずだが、やはり何と言っても富豪ファミリーが乗るべきバカっ速SUVの最右翼は「ランボルギーニ・ウルス」だろう。

 ウルスは、2017年12月にイタリアで発表されたランボルギーニの超高性能SUV。初期モデルは最高出力650馬力の4リッターV8ツインターボをフロントに搭載し、8速ATを介して四輪を駆動する。0-100km/h加速は3.6秒で、最高速度は305km/hだ。その後は最高出力666馬力の「ウルス ペルフォルマンテ」が追加されている。こちらの最高速度は306km/hであるため、素のウルスよりも1km/h速い。……なんだか1970年代の「カウンタックLP400の300km/hに対して365GT4BBは302km/h!」という故事を思い出し、懐かしさで涙が出る。

 それはさておき、ウルスの初期のプレス向け資料には「街なかでの運転しやすさも追求されている」的なことが書かれている。だが、長屋に住む筆者がちょっとだけ広報車を動かした経験に基づいて言うと、全長5112mm×全幅2016mmのランボルギーニ・ウルスは、街なかではめちゃめちゃ運転しづらい。

 いや実際にはそんなこともないのだろう。しかし、筆者のようなド平民は全幅2m超えのクルマに慣れておらず、なおかつ「2574万円(←初期型の価格)のクルマを擦ってしまったらもう切腹するしかない……」みたいな心理的なプレッシャーがとてつもないため、とにかく「めちゃめちゃ運転しづらい!」と感じてしまうのだ。

 しかしそこが逆に、富裕層ファミリー様にとっては腕の見せどころである。

 最新世代においては車両価格3000万円を超え、ついでに全幅も相変わらず2mを超えているウルスを街なかでスイスイと運転する姿は、まさにスーパーヒーローのそれである。あまつさえ「ランボルギーニ・ウルスに乗って家族でキャンプ場に行く」というアクションをすれば、家族全員がスーパーヒーローまたはスーパーヒロインになれるだろう。

 前出のプレス資料によれば、ウルスは「さまざまな環境でのオフロード性能を提供する」とのことなので、ハードウェアの性能的にはなんの問題もなくキャンプ場までたどり着けるはず。そして積載性も十分だろう(たぶん。詳しくは知らない)。

 しかし、下まわりをハードにヒットする可能性があり、泥だらけにもなり、さらにはキャンプ道具類を出し入れする際などにボディをガツンと傷つけてしまう可能性もある。「キャンプ場へ行く」という行為は、心理的なハードルが鬼のように高い。

 その鬼のように高いハードルを楽々と越えてみせた偉大なファミリーとして、あなた様にはぜひ、歴史にその名を刻んでほしいのだ。これこそがおそらく、ランボルギーニ・ウルスというバカっ速SUVの「もっともエキサイティングな使い方」だろう。平地で速くて、平地でエラいことなんて、もうみんな十分知っているのだから。

国産モデルでは考えられないようなハイパフォーマンスっぷり

「ポルシェ・カイエンEハイブリッド」も、ランボルギーニ・ウルスの場合とおおむね同様の使い方が望まれるだろう。つまりは「カイエンEハイブリッドで行くファミリーキャンプ」である。

 2023年4月18日に予約注文の受け付けが開始された改良型カイエンEハイブリッドは、3リッターV6エンジンにモーターを組み合わせ、システム最高出力470馬力を発生するプラグインハイブリッド車。最長90km(WLTPモード)のEV走行も可能だ。0-100km/h加速4.9秒で最高速度254km/hであるらしいので、ランボルギーニ ウルスよりはずいぶん「遅い」。

 しかし、当然ながらそのへんの国産SUVよりは断然バカっ速いので、まずはカイエンEハイブリッドで高速道路に乗ってキャンプ場を目指し、追い越し車線にて国産SUVを蹴散らす。しかしその後、車両本体価格だけで1390万円を超えるこのクルマが泥だらけになることで“男気”のようなものを見せつけ、そしてキャンプ場では、隣のご家族が使う電化製品に快くカイエンEハイブリッドから給電してあげることで、「器の大きな自分」をかみしめる。これで完璧である……と思ったら、カイエンEハイブリッドは外部への給電はできないのか! ううむ。お隣のご家族さんは、すみませんが三菱アウトランダーPHEVか何かに乗ってきた人を探してください……。

 この原稿もいささか長くなってきた。お読みのみなさんもそろそろ飽きてきたかもしれない。よって、この後は手短にパンパン進めることにしよう。

フォルクスワーゲン・ティグアンR

 専用チューンを受けた最高出力320馬力の2リッター直4TSIエンジンを搭載する快速SUVである。これでウルスのようにキャンプに行くのもエキサイティングだが、見た目もサイズもさほど派手ではないため、「バカっ速SUVであえてキャンプに来た」という気迫を周囲が理解してくれない可能性もある。

 それゆえティグアンRではキャンプ場に行くのではなく、「自慢のRパフォーマンストルクベクタリングを活かし、サーキットでスポーツカーをぶち抜く!」というのが“エキサイティングな使い方”になるだろう。サーキットでブレーキがどれぐらいもつかわからないが。

アストンマーティン DBX

 最高出力550馬力の4リッターV8ツインターボを搭載する、アストンマーティン初のSUVである。0-100km/h加速は4.5秒とほどほどだが、最高速度は291km/hだ。

 しかし、291km/hなど出す場所はないし、高速道路料金所からの瞬間フル加速も、何回かやればお腹いっぱいになるものだ。「DBXが似合う超高級ホテルに行く」みたいな行動も、筆者のようなド平民にとってはエキサイティングだが、富豪にとっては「ただの日常」である。そろそろ飽きているかもしれない。

 であるならば、……まぁこのクルマもキャンプだな。車両本体価格2590万円のこれで行く、泥だらけでリスキーなキャンプは、富豪にとっては「コンラッド東京」とかに行くよりもはるかにエキサイティングな体験となるだろう。周囲のキャンパーも「……まさかのアストン登場!」とびっくりするだろうし。

ベントレー・ベンテイガ スピード

 最高出力635馬力の6リッターW12ツインターボエンジンを搭載するスーパーラグジュアリーSUV。0-100km/h加速3.9秒で、最高速度は306km/hである。

 このクルマでエキサイティングな体験をするには「砂漠」へ行くのがいいだろう。砂漠へ行き、例の「お客様、ロールスロイスは故障しませんので、何かのお間違いではないでしょうか?」という都市伝説を体感してみるのだ。まぁいまやロールスロイスとベントレーはぜんぜん関係ないわけだが、細かいことはいいじゃないか。重要なのは“気分”である。

 で、外国の砂漠までベンテイガを持っていくのは大変であり、鳥取砂丘を走ると多分逮捕されるので、石川県の「千里浜なぎさドライブウェイ」を走るのが良いと思われる。全長8kmの砂浜ドライブウェイだ。

 ぜひ千里浜なぎさドライブウェイにて、故障もしていないのにロールスロイスのディーラーに「砂漠で故障してしまったのだが……」と電話をかけてみよう。「お客様、弊社はベントレーではなくロールスロイスを販売しておりますので……」と、困惑されるだけかもしれないが。