自分に合った副業で活躍することができれば「人生を好転」させることもできます(写真:kou/PIXTA)

コロナ禍を経て、「スタートアップで働きたい」という人が転職・副業ともに急増している

スタートアップへの転職・副業サイト「アマテラス」を運営し「スタートアップ転職・副業のプロ」である藤岡清高氏は、これまで2000人以上からスタートアップ転職や副業の相談を受けてきた。アマテラスを通じて、毎年200人以上がスタートアップ企業の「コアメンバー」や「CxO候補」として参画しているという。

そんな藤岡氏の初の著書『「一度きりの人生、今の会社で一生働いて終わるのかな?」と迷う人のスタートアップ「転職×副業」術』は、スタートアップで「働きたい人」「副業してみたい人」「興味がある人」の知りたいことが全部わかる、日本初の入門書だ。

「スタートアップ転職・副業のプロ」である藤岡氏が、「会社員の副業」には人生が好転するほどの「3つの絶大メリット」があると解説する。

「副業がおすすめ!」なのはこんな人

最近、副業をするビジネスパーソンが一段と増えています。

・いまいる会社に定年までしがみつくつもりはなく、会社の枠を超えて自分の力で生きたい人
・いまいる会社で成果を出すことができ、一定のスキルがあると自負している人
・ただ、そのスキル・経験が社外で通用するのか不安な人
・自分のスキルの陳腐化が不安な人


多くの人から転職や副業の相談を受けてきた経験を踏まえて、僕は上記のような人には、副業を強くおすすめしています。

いまの会社で成果を出し、活躍しつつも、「自らのキャリアを正しく怖れ、サバイバルする力をつけていこう」と考えるような人にこそ、副業はおすすめです。

自分に合った副業で活躍することができれば、「人生を好転」させることもできる、とたくさんの副業人材を見てきた経験から、確信しています。

では、なぜ、会社員にとって、副業で「人生を好転」させることができるのか。

そこには、3つの大きな理由があると考えています。

1つめは、副業をすることによって「本業での自信」を取り戻せることです。

【理由 柬楸箸任亮信を取り戻せる

長年働いていると、「いまの勤務先で、自らの成長を感じられなくなった」「自分の価値がわからなくなった」と感じることもあるでしょう。

そんなときに、副業で成果を出し、

・人に感謝される
・自分が培ってきたスキルは社外でも通用する
・自分は存在価値がある

と実感することで、本業での自信を取り戻せる人が実に多いのです。

自分のスキル・経験を「社外で」試せる

たとえば、大手出版社で編集の仕事をしてきた50代のDさんは、管理職になってからは編集よりもマネジメントがメインになり、行き詰まりを感じていました。

年収も役職も上がったものの、「編集者として誰かの役に立ちたい」という気持ちがくすぶっていました。

そんな折、某ネットメディアスタートアップから、コンテンツ立ち上げの副業を打診されました。

「編集や記事作成はわかるが、ネットメディアはわからない」とDさんが答えると、

「ネットメディアに詳しいメンバーがサポートするから大丈夫。むしろ編集や記事作成のスキルこそが大事なんだ」


と言われました。

その後Dさんは、見事ネットメディアの立ち上げに成功。自身のスキル・経験が若いスタートアップの役に立ち、深く感謝されたことをきっかけに、本業にも意味を見いだすことができました。

Dさんは元気を取り戻し、ポジティブに本業に取り組んでいます

副業を通じてできた新しいネットワークも、Dさんにいい影響を与えているようです。

副業をする意義は、「目先の収入」よりも、人生100年時代を生き抜くために未来の「収入チャネル」を増やすことにあります。

【理由◆曄崋入チャネル」を増やし、人生のセーフティネットとなる

副業で「収入チャネルを増やす」ことができれば、「本業に対する心の余裕」が生まれます。本業でも、守りに入るのではなく、チャレンジできるようになります

「守りの人生」から自身を解放できるのです。

また、本業で思うようなキャリアを歩めなくなったとしても、「いざというときに副業を本業に置き換える」ことができます。

副業は「人生のセーフティネット」となるのです。

「人生のセーフティネット」は多いほうが安全

セーフティネットは1枚よりも2枚、3枚と、多いほうが安全です。

複数の副業先を確保しておく、つまり人生のセーフティネットを複数持つことで、キャリアが断絶するリスクを、より減らすことができます。


複数の副業先を確保すると「最高のセーフティネット」になる。複数の副業先を確保しておくことで、キャリアが断絶するリスクを、より減らすことができる(図『スタートアップ「転職×副業」術』より)

バリバリと成果を出している「キャリアハイ」のときこそ、副業を始めるベストタイミングだと言えます。

本業で挫折をしたり、定年になったりしてから新しいことを始めるのは、心理的負担も膨大だからです。

もうひとつ、副業のメリットのひとつに、個人に「信用」と「情報」が蓄積していくことも挙げられます。

【理由】個人に「信用」と「情報」が蓄積し、個人として自立できる

「会社員」として仕事をしている限りは、どんなにいい仕事をしていても「○○会社の○○さん」という「会社のカンバン」の域をなかなか出ません

極論すれば、「○○会社というカンバンがあるから、○○さんはいい仕事ができているだけ」と思われることもあるのです。

副業は「半分起業している」ようなもの

他方、副業を通じて個人としての実績を積み上げていくことができれば、あなた個人に「信用」が集まって「あの仕事なら○○さん」という評判ができます

「新規案件を〇〇さんに任せてみたい」などといった形で、情報も集まってきます。さらに、個人としてのネットワークも広がります

副業で仕事をしていると、半分起業しているようなものです。

個人の名前で仕事をする副業を通じて、個人に信用と情報が蓄積していけば、自分のキャリアに自信を持てるようになります

そして、いずれ本業を切り離しても、キャリアをスムーズに維持・拡大していくことができます。いざというときのセーフティネットが強化されるということです。


「あなた個人」に信用と情報が集まっていますか? 個人の名前で仕事をする副業を通じて、個人に信用と情報が蓄積していけば、自分のキャリアに自信が持てるようになる(図『スタートアップ「転職×副業」術』より)

「会社員」と「個人」の信用ストックに違いが現れるのは、「起業・独立」したときです。

会社員としてそれなりに実績を残していたが、独立した途端にこれまでの取引先から仕事が来なくなった、ということは、よくあります。

しかし、副業で実績を出している人が起業すると、とてもスムーズです。

大企業勤務の傍らでスタートアップ副業を経て、起業したSさんは、

「起業後、順調に事業拡大できたのは、副業を通じて個人の名前で仕事をしてきたから。すでに『自分』というカンバンに信用があり、情報が集まるようになっていたので、仕事もとれた


と話しています。

「60歳以降に持続可能な仕事」を見つけよう

社会が大きく変わっていく時代の中で生き残っていくために、「会社に依存するのではなく、早めにスキルアップして、個人として自立したほうがいい」という考えを持つ人が増えています。

こうした考えを持つ人が増えてきた背景には、2016年に日本で発売された書籍『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、池村千秋訳、東洋経済新報社)の影響が非常に大きいと感じています。

この本で提唱された概念「ポートフォリオ・ワーカー」や、人生100年時代の到来、終身雇用制の崩壊などは非常に説得力があり、優秀層ほど早くから、転職や副業をしようと実際に動き出していました。

キャリアが垂直的だったこれまでは、新卒入社した会社で、60歳までにどこまで出世の階段を上れたかが、「成功の指標」でした。

しかしこれからは、「60歳以降に持続可能な仕事」がどれだけあるかが、ビジネスパーソンの成功の指標になってくるのではないでしょうか。

人生という耐久レース、「転ばぬ先の杖」として、早めに副業に挑戦してみることをおすすめします

(藤岡 清高 : 「スタートアップ転職・副業のプロ」アマテラス代表取締役CEO)