東大生も実践「頭がいい人」がすぐやる意外な習慣
東大生の、ある習慣について解説します(漫画:©︎三田紀房/コルク)
記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う会社「カルペ・ディエム」を作っています。
そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。第66回は東大生が実践する日々の習慣について西岡氏が解説します。
この連載のほかの記事はこちらからご覧ください。
今回は頭のいい人とそうでない人の決定的な差についてお話ししようと思います。
例えば、みなさんは「わからないことがあったときに、すぐにネット・スマートフォンなどで検索する」という行為についてどう思いますか?
今、なにかわからないことがあってもネットで検索すれば大抵のことが出てきますよね。その情報の真偽は置いておいても、答えに近いものや、同じ悩みを持った人の対処法などにはすぐにアクセスできる状態にあります。これらの情報を活用するのは頭がよさそうですね。
すぐにネットで調べるのはいいことなのか?
ただ、「わからないことをすぐに検索していると、自分の頭を使わなくなってしまって、頭がよくならない」という考えの人もいるでしょう。
「すぐにネットで調べる」のは、いいことなのでしょうか?それとも違うのでしょうか?
結論から言うと、東大生たちの習慣を調べると「すぐにネットで調べる」場合が圧倒的に多かったです。なぜそうするのかについて、こちらの漫画をご覧ください。
※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
(漫画:©︎三田紀房/コルク)
いかがでしょうか?この漫画の通り、東大生はとにかく情報収集をする習慣があります。会議とか授業とかでわからない言葉や難しい概念が出てきたら、「メモして後で検索しよう」といって会議や授業が終わってから検索する、という人もいます。
もっと言えば、終わってからではなく、会議中・授業中にその場ですぐに検索しはじめる人もいます。わからないものをわからないままで終わらせるのが気持ち悪いのだそうです。
そのうえで、「自分で考えているということは何も考えてないということなんだよ」というのは、ゼロから何かを生み出そうとしてはいけないということなのだと思います。
「東大生は、自分の頭で考えるのが得意」と思われていますが、実はそれは違うと僕は思っています。なんの情報もないところから何か考えるのはそんなに得意ではありません。自分の頭で何かをひらめく、ということはほとんどありえないんです。
例えば数学の問題に関しても、「東大生は数学の問題を見て『ひらめく』のが得意だ」なんて言いますが、あれは間違っています。たしかに数学の問題を見て「あ、こうやって解けばいいのかな」と思いつくことができますが、それは別にひらめいているのではないのです。
ひらめきではなく、知識を結びつける
東大生は数学の問題を何度も解いている中で、その問題を知識として頭の中にストックしています。そして、新しい問題を見ても、「これ、前にも似たような問題を解いたことあったな。そのときは、こうやって解いたな」と、過去の知識と結び付けて考えることができるのです。
ひらめいてはいません。知識を結びつけているだけなのです。
東大生は、ゼロから何かを考え出すのが得意というわけではなく、いろんな情報を集め、それを組み合わせて考えるのが得意なだけなのです。
頭のいい人に対して「ひらめく人」というイメージを持っている人も多いと思いますが、それは間違いです。知識の応用力があるだけなのです。
読者の皆さんも、自分で考えるのではなく、まずは情報収集から始めましょう。「ひらめけるように」なるためには、まずは知識から物事を始めるといいのではないでしょうか。
(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)