装着率9割超!日本では当たり前となった「ETC車載器」が海外でも人気?

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高速道路の料金所は、以前はチケットや利用料金のやりとりで一時停止する必要がありました。しかし、ETCが登場してからは停止することなくゲートの通過でそのやりとりを済ませることができるようになり、現在では9割以上の車がETCを利用しています。

ETCを利用するには「ETC車載器」が必要ですが、日本で販売されているETC車載器は日本国内の規格にあわせた製品であるため、海外では利用することができません。

しかし、YouTubeでは日本のETC車載器を取り付ける動画が、日本に住むユーザーに向けたものだけでなく日本国外に住むユーザーに向けたものまで投稿されています。

利用できないにもかかわらず、日本国外に住むユーザー向けにETC車載器を取り付ける動画が投稿されているのは、ETC車載器の“ある機能”に需要があるようです。

ETCが利用できなくても「取り付けたい!」と思う海外のユーザー…なぜ?

日本で販売されているETC車載器を取り付ける手順等を日本国外のユーザー向けに説明する動画は、YouTubeで検索すると実にさまざまな国の人たちが投稿していることがわかります。この記事で上に紹介した2つの動画はカナダとタイのユーザーが投稿しているものです。

電源の取り方や設置場所だけでなく、ETC車載器から流れる音声案内の翻訳等を説明している動画もありました。

実は、この音声案内こそが日本国外のユーザーがETC車載器を取り付ける理由。ETC車載器に収録されている「カードが挿入されていません」等の音声は日本語であるため、これ以上ないほど「日本」を感じさせるものだとして、人気があるようです。

「ETCカードが挿入されていません」の音声はステータス!?

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こうした動画は、「JDM」と呼ばれるジャンルのカスタムカーの愛好家によって投稿されているものです。

JDMとは「Japanese Domestic Market(日本国内市場)」の略ですが、カスタムカーの用語としては、日本国内仕様車に装着されているパーツや日本の国内で流通している日本のメーカーが販売するパーツを多く取り入れたカスタムの手法を指します。

大雑把に言えば、日本のそのへんの道を走ってる車を手を加えずにそのまま北米に持っていった場合、JDMマニアからは「かなりクールなカスタム」に見える車になるかもしれないということです。

また、JDMとは事情が異なるものの、ETC車載器を装着したまま輸出された日本の中古車は、日本国内で使われていた状態の良さや日本製であることを証明するものとして、アフリカなどでは「ETCカードが挿入されていません」のアナウンスがステータスになっているということや、アフリカでいちばん有名な日本語になっているという噂もあります。

ETC車載器のほかにも、普段、何気なく利用している車のアクセサリー類が、思わぬ場所で思わぬステータスになることがあるのかもしれません。