テレビやラジオ番組で関西を中心に活躍した、元タレントの上岡龍太郎さんが5月19日、大阪府の病院で肺がんと間質性肺炎のため亡くなられました。81歳でした。TV番組の司会などで活躍されました。6月2日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では、『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)で共演した北野誠が、上岡さんの思い出や人柄について語りました。

芸は一流、人気は二流、ギャラは三流

以下は番組内での北野誠のコメントを一部編集したものです。

僕がめちゃくちゃ憧れて、お世話になった師匠です。
1年ほど前からご病気とは聞いていて、いずれくるだろうという覚悟はしていました。
最後に直接お会いしたのは、この番組をやる前、桂雀々さんのゴルフコンペに行った時ですから、10年ほど前です。その頃はとてもお元気でした。

上岡さんは僕らが入った頃からバリバリ仕事をやってはって「芸は一流、人気は二流、ギャラは三流、めぐまれない天才芸人上岡龍太郎です」と、軽妙な語り口でラジオ、テレビなどで活躍していました。

上岡龍太郎という人はすごく尊敬の念と怖いイメージをもたれていますが、上岡さんを「怖い」と思ってくる奴にはすごく怖くあたります。
思い切って普通に飛び込んでいく奴は普通にかわいがってくれます。
距離をとる人にはすごく冷たいです。上岡さんの人柄で一番面白いところです。

収録でキレて帰る

上岡さんは『探偵!ナイトスクープ』の公開録画で2回キレて帰っています。

桂小枝さんのロケで「私の部屋に幽霊が出る」という依頼でした。
上岡さん、もともと心霊系を信用してないので、心霊現象を中途半端におちゃらけてやったら、終わってから「何をしたいんや、この番組は!」とぶちっとキレました。

「もうええ、ワシこの番組やめるさかい、今から帰るわ!」と局長席から立ち去り、そのまま家に帰られた。

俺らもみんな若かったから「帰るってなんやろ?放送どうするんやろ」って。お客さんも400人くらいいて全員ざわざわしてた。
そのお客さんにスタッフが「優先的にもう一度収録参加できる半券、手書きしてます」って。「手書きかい!」って(笑)。

で、2年後にも上岡さん、何かのロケでまた帰ってますからね。

収録終わって家に帰って飯食ってたら、ABCから「悪いけど誠君、もっぺんスタジオ来てくれんかな」って。誰もおらんスタジオで小枝兄さんとふたりっきりで収録しました。
まあ、それも上岡さんだから許されましたね。

上岡さんの後頭部を叩く

大阪音大の学園祭で二人でトークライブをやったことがあります。その時、俺がナイトスクープ2年目で31、2歳。

上岡さんがどうでもいいボケをやったんですよ。
俺が後ろから頭を叩いて「ホンマにおもんないボケや」と突っ込んだことがありました。

終わってから、さすがに失礼やなと思って、電話をしました。

「すいません、今日叩いてしまって」と言ったら、上岡師匠が「そんなしょうもないことで電話してくんな、お前。舞台の上で何が起ころうとも、舞台は舞台。
しかも君が僕を叩いてくれたおかげで、めっちゃウケとったやないか。
自分でもしょうもないボケだと思った。あれを叩いてくれたから丸く納まった。
だから舞台の上でどんな先輩芸人で年上でも、突っ込むところやったら突っ込むのは絶対正しい。いちいち気にするな、舞台のことや」と。

「でもホンマ、おもんなかったです」って言ったら「なんべんも言わんでええ」って(笑)

上岡師匠の後頭部を叩いたことは、後にも先にもこの時しかないです。
それから、上岡師匠と僕の仲はぐっと深まりました。

テニスに見えんのか?

『探偵!ナイトスクープ』で(自分の担当ネタが)あんまりおもろない時は、メイクしている上岡さんの横にちょこっと座って、「師匠、今日あんまりおもんないです。だから(映像終わりで)厳しめのツッコミをお願いします」と先に言う。

そこから北野誠探偵の、キダタローさんから「中途半端やねん、お前は!」と言われて終わるパターンとか、上岡さんとのコンビネーションが出来上がった。

上岡さんはみんな怖がって近寄らないけど、入っていくとすごくやさしい、面白い人でした。

いっしょにゴルフ場行った時、一般の方から「上岡さんや!今日はゴルフですか?」って言われて。ゴルフバック持ってるから当たり前やん。
それで上岡さん「テニスに見えんのか?」っていちいち素人さんに突っ込む(笑)。俺が「いいですやん、会話の糸口やからよろしいがな」って。

それが上岡龍太郎さんという人。一緒に仕事をさせてもらって非常に楽しい芸人人生でございました。
ご冥福をお祈りいたします。

(構成:みず)
 

北野誠のズバリ
2023年06月02日13時14分〜抜粋(Radikoタイムフリー)