回転花火銀河
Image: NASA, ESA, K. Kuntz (JHU), F. Bresolin (University of Hawaii), J. Trauger (Jet Propulsion Lab), J. Mould (NOAO), Y.-H. Chu (University of Illinois, Urbana) and STScI; CFHT Image: Canada-France-Hawaii Telescope/J.-C. Cuillandre/Coelum; NOAO Image: G. Jacoby, B. Bohannan, M. Hanna/NOAO/AURA/NSF

数カ月間は観測できるそう。

星が死に際に起こす大規模な爆発である超新星は、遥か彼方であっても観測できるほど極めて明るく輝きます。先日、そんな超新星がおおぐま座に出現しました。

この超新星「SN 2023ixf」は、回転花火銀河「M101」の渦状腕の中に存在しています。

NASAいわく、この銀河は地球から2100万光年離れているとのこと。Space.comが報じているように、このところSN 2023ixfは天文家たちの注目の的となっています。

望遠鏡で観測可能

Sky & Telescopeによると、この超新星が発見されたのは協定世界時の5月19日で、4.5インチ(114mm)口径の望遠鏡で観測できるとか。

ハッブル宇宙望遠鏡は現地時間の5月22日に観測し始めており、数カ月間は見え続ける可能性があるとNASAは述べています。SN 2023ixfが現れた回転花火銀河M101は、北斗七星の柄杓の柄側にある星アルカイド、ミザールと三角形を構成する配置となっています。

米ギズモードのGeorge Dvorskyは、5月23日、ミラー口径4.5インチの望遠鏡を使って露出時間40分でSN 2023ixfの撮影に成功。下の画像では、M101のぼやけた核の右側にはっきりと写っています。

M101銀河にある新たな超新星
Image: George Dvorsky - Gizmodo US

Space.comによると、爆発前の星は太陽の何倍も大きかったようで、もしこの天体が太陽の位置にあったとしたら、火星の軌道を越えるほどの大きさだっただろうとのこと。

大質量の恒星は、核融合反応の燃料が尽きると超新星になります。星が自らの重力で崩壊し、大規模な爆発を起こしてエネルギーを放出。最後には中性子星かブラックホールが形成されます。

こちらは回転花火銀河M101を撮影した天体写真家の投稿。銀河上側の渦状腕にある点滅している星が、発見さればかりの超新星です。

爆発現象つながりでいうと、今年の初めにはやがてキロノヴァを発生させる連星中性子星が発見されています。

Astronomers Find Rare Star System That Will Trigger a Kilonova

キロノヴァとは、ガンマ線バーストと大量の金及び白金(プラチナ)を生成すると考えられている爆発現象のこと。この天体は中性子星と超新星になりつつあって、将来的には中性子星となる大質量の星とが連星を成していて、それらが最終的に衝突してキロノヴァを引き起こすようです。

輝きながらも死にゆく恒星をウェッブ宇宙望遠鏡が撮影

Source: NASA, Space.com, Sky & Telescope, Space Telescope Live, Twitter, SciTechDaily