男子100メートル決勝で最下位8着に終わったサニブラウン・ハキーム【写真:奥井隆史】

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陸上・日本選手権

 8月のブダペスト世界陸上などの代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権最終日は4日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。男子100メートル決勝では、24歳のサニブラウン・ハキーム(東レ)が10秒59(向かい風0.2メートル)で8着。まさかの最下位に終わり、今夏のブタペスト世界陸上の代表内定とはならなかった。昨年7月のオレゴン世界陸上で日本人初の決勝進出を果たし、1年ぶりの国内凱旋大会だった。坂井隆一郎(大阪ガス)が10秒11で初優勝。

 小池祐貴、坂井、柳田大輝ら実力者の揃った決勝。他選手のフライングで仕切り直しとなったスタートで、サニブラウンのスピードが乗ってこない。まさかの8人中最下位でフィニッシュ。直後は顔をしかめるシーンもあった。レース後には「スタートの段階で足がつっちゃって、全然ダメでしたね」とコメントした。

 途中でレースを止めなかったことに関しては「走らないわけにはいかないので、プロとしての責任と心構えです」と語った。「日本選手権は通過点。ここからですね。体が思うように動いてくれなかった。イメージした走りはできなかったけど、3本走ることが大きいこと。次、世界選手権のラウンドに向けていい体づくりになった」と前向きに今大会を振り返った。

 今後については「体を休めて、もう一段階上げないといけない。気を引き締めていかないといけない。コンディションを怠ったわけじゃないけど、支障が出る部分があった。行動を見つめ直さないといけない」とコメント。「足が攣ってその中で走って力を出せずに終えるレースだった。こういうことがないように進めたい」と気を引き締めていた。

 ワールドランキング対象のレース数を満たしていないが、オレゴン世界陸上で日本人最上位の7位入賞だったため、5大会連続となる世陸切符の内定条件は今年の参加標準記録10秒00をクリアすることだった。今大会は100メートルのみの出場。同種目2連覇&4度目の優勝がかかっていた。

 オレゴン世界陸上は予選で9秒98をマーク。向かい風0.3メートルながら自己ベスト9秒97を出した19年6月以来、自身3度目の9秒台だった。さらに準決勝は10秒05(向かい風0.3メートル)で同種目日本人初の決勝進出。1983年から始まった世界陸上で歴史的快挙を達成し、決勝は10秒06(向かい風0.1メートル)の7位だった。

 今大会は各種目で3位以内に入り、参加標準記録を有効期間内にクリアした選手が代表に内定する。

(THE ANSWER編集部)