アップル銀行の日本上陸はあるか?そして日本への影響は…

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アップルがゴールドマン・サックス(GS)と組んで米国で始めた普通預金口座サービス「アップル銀行」が〝開業〟わずか4日で10億ドル(約1350億円)近い預け入れを集め、金融界に衝撃を与えている。

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 スマートフォン「iPhone」から申し込めばわずか30秒ほどで口座が開設できるという利便性の高さに加え、全米の貯蓄口座の平均(0.3%台)の10倍以上となる年4.15%の高金利が話題を呼び、預金者が殺到しているからだ。

 時あたかも米国ではシリコンバレー銀行の破綻をきっかけに中堅地銀が信用不安による預金流出に見舞われている。そんな中で高い信用力を持つアップルが預金サービスに参入したことで「銀行淘汰の波に拍車を掛ける」(アナリスト)と予測する声もある。

 アップルは米国以外での預金サービス展開について明らかにしていないが、スマホ市場におけるiPhoneのシェアが世界ナンバー1クラスである日本に上陸すれば、デジタル化に出遅れたメガバンクや地銀などの脅威になるのは必至。一方、米国同様に日本でもパートナーを探すのではないかと見られており、その座を競う可能性もある。

 さらに、全国に張り巡らせたコンビニ網を武器に若者らの決済需要を取り込んできたセブン&アイ傘下のセブン銀行の経営戦略にも大きな影響を及ぼすとも指摘されている。

 グーグルやアマゾンなど米大手ITはこれまでも決済サービスなどフィンテック分野の事業を拡大してきたが、真打・アップルが「本丸」である預金サービスに乗り出したことに日本の金融界は身構えている。