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現在、『アイドリッシュセブン』初の劇場ライブが開催中。<DAY 1><DAY 2>と2日間のライブが、彼らを応援し続けてきたファンの眼前で繰り広げられる『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』は、IDOLiSH7をはじめ、TRIGGER、Re:vale、ŹOOĻの4グループ合同で開催されるステージだ。年末恒例の音楽番組「BLACK or WHITE MUSIC FANTASIA」が昨年大幅にリニューアルし、「ブラック・オア・ホワイト ライブショーダウン」として1年の終わりに熱いバトルで最高の音楽の時間を届けた彼らによるさらに熱い音楽で彩るこのライブについて、IDOLiSH7・七瀬 陸を演じる小野賢章に聞く。

INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち

IDOLiSH7と、仲間たちのライブをフルで見られる喜び



――ついに彼らのライブをご自身の目で観ることとなりました。これまでは陸を演じるキャストとしてステージに立たれていましたが、実際にご覧になっての感想をお願いします。

小野賢章 すごく感動しました。こんなにもフルでライブを観られることもなかなかないことだと思いますし、90分たっぷり観ることができるなんて、こんなに幸せなことはないなと感じましたね。彼らが実在することを、より強く実感できるようなライブでした。

――ご自身がライブで見ている景色と違いはありましたか?

小野 ほぼ、あの景色です。それがすごくリアルに描かれていたことにも感動しましたし、“彼らが存在している”と思わせてもらえる要因だな、と。

――ライバルであり、仲間でもあるほかのグループの姿もライブで観られました。紡いできた時間を感じられたのではないでしょうか。

小野 みんなが楽しそうにライブをしていたり、TRIGGERとŹOOĻが一緒に同じステージに立っていたりするのを観ると「時間が経ったんだなぁ」と感じて……。アプリの第6部までが終わったあとのライブなんだなと実感できましたね。

――彼らの成長をご自身でも感じていらっしゃいますか?

小野 そうですね。色んなことが起こりましたし、「本当にアイドル作品なのか⁉」って思ってしまうようなことが多かったですから。そういったものが解決していって良い方向に進んでいることが、本当に良かったなって思います。

小野賢章

今、改めて感じる“はじまりの曲”への想い



――今回のライブは<DAY 1>、<DAY 2>とありますが、どちらのライブも「MONSTER GENERATiON」から始まります。一番長く歌っている1曲ですが、今改めてこの曲に対してどのような想いがありますか?

小野 「MONSTER GENERATiON」を聴くと、最初の頃のことを思い出すんですよね。最近の曲になればなるほど、規模が大きくなってきている。世界観もそうですし、歌っている対象の視野が広がっているように思うんです。世界中の人たちと、言葉はなくとも音楽で繋がれるよね、というメッセージや時代のことなど、壮大なことを歌っている印象があります。「MONSTER GENERATiON」でも“時代を駆けていく”って言っていますけど、今のほうが壮大なものについて歌っている曲が多いような気がしていて。でも、そんななかでも「MONSTER GENERATiON」を最初に持ってきて、今でも大切に歌っていることで、初心をずっと大切にしていると感じますし、「この曲から俺たちは始まったんだ」ということに自信を持っている彼らはすごく素敵だなと思います。今後もこの曲はずっとIDOLiSH7にとって大事な曲であり続けるんだなって思っています。



――最初にこの曲に出会ったのは8年前。その頃のことを振り返ると、どんなことを思い出しますか?

小野 単独ライブのときにも思いましたが、キーが高っ!って(笑)。そこに8年の時間の経過を感じます。久しぶりに歌うと「こんなに高かったんだ!?」って思うんですよね。

――陸は伸びやかで高めな歌声ですよね。

小野 曲自体のキーはどんどん落ち着いてきているので、最近ではトップがすごく高いことはなくなっていますが、セリフの声はどんどん高くなっているんです。不思議ですよね(笑)。

――やはり様々なことが解決してきているから?

小野 そうかもしれないですね。僕自身の中で陸のベースの気持ちとして変わらない部分もあるんですけど、「良いものにしていきたい」という気持ちが一番にあるので、陸の気持ちが晴れやかになっていくのと同時に明るくなっていった結果が今なのではないかなと思っていますし、その変化に対しては良い形で表現できていると思っています。

――そしてライブならではの新曲「NiGHTFALL」がありました。こちらの曲の感想をお願いします。

小野 彼らが安定してきたなぁという印象を受けました。ストーリーの中で歌うので、今のIDOLiSH7がどういう状態か、ということが曲の印象にも繋がってきますが「NiGHTFALL」は第6部まで終わったあとの曲だから、彼らがベストな状態を保っているのかなと。「ブラホワ」でも初優勝したところで、かなりイケイケな状態だと思うんです。その印象を曲から受けましたね。ただ、少し切ない部分もあるから、グループとしての成長や変化や、デビューしたての初々しさや元気いっぱいなところから時間が経って落ち着いてきて、地に足のついている状態での曲だな、と感じました。

――実際にライブで歌っている姿はいかがでしたか?

小野 あの衣装、最高だなって思いました。少しファンタジー寄りな衣装というか、「銀河鉄道の夜」のような雰囲気がありますよね。

「BLACK or WHITE」の勝利を掴んだあの曲への想い



――さらにミュージカル「ゼロ」のラストを飾った1曲であり、九条 天とのデュエットソングである「Incomplete Ruler」も陸はライブで歌っています。実際にライブで歌っている姿をご覧になった感想をお聞かせください。

小野 色々ありすぎましたから、よく陸と天はこの曲を泣かずに歌えるよなぁと思いました。さすがプロですよね。IDOLiSH7としてというよりは「七瀬 陸」として物語が1つ完結したなと感じたのが「Incomplete Ruler」だなと思うし、天を追いかけてアイドルになって、ずっと認められたい、助けになりたいと思っていて、ようやく第5部でそれが叶った。もちろん天もずっと認めていたとは思うんですけど、それが言葉になって出てきた。そういう意味も含めて、やはりこの曲は陸にとっても思い出に残る1曲になったんじゃないかなと思います。

――そして「TOMMOROW EViDENCE」は「MONSTER GENERATiON」コンビのkzさん、そして真崎エリカさんが7年の時を越えて手がけた1曲です。「ブラホワ」優勝もありましたが、この曲の印象をお聞かせください。

小野 歌うときには、どういうことがあってこの曲になっているかも、「ブラホワ」で優勝することも知っていたんです。だからこそ、聴いた人に「あー、これは優勝するな」と思ってもらえるように、と意識して歌いました。

――ライブでは「ブラホワ」を共に戦ったメンバーも登場して、共に歌います。その瞬間をご覧になっていかがでしたか?

小野 この展開にはびっくりしましたね……。みんなの中のモヤモヤしたところが第6部までかけて解消してきたからこそだなと思いました。「ブラホワ」で勝ち負けは決まるけれど、4グループがそれぞれにほかのグループにはない魅力があるので、「このグループよりこっちのグループ」みたいなものはほぼないんじゃないかなって思うんですよ。優劣はつけられない。だからこそこのライブを観て、すべてのグループを好きになってくれたら嬉しいです。



――「Pieces of The World」での、16人での歌唱についてはどのような想いがありますか?

小野 もう、目が足りないですよね。これはそれぞれのライブを16回、<DAY 1><DAY 2>で合計32回は観なきゃだめですよ(笑)。キャストの皆さんとしゃべっているときにもよく今回のライブの話題になるんですが、「この曲、マジで良いよね」と皆さんおっしゃるんです。多分みんな、次のライブの機会には歌いたいと思っているはず。ただ、この人数でフォーメーション変えて歌うのって大変ですよねぇ。年末恒例の、あのカウントダウンライブを見るようです。まさに言葉を失う瞬間、それくらい圧巻でした。

――カメラの抜き方もまた良いですよね。

小野 そうなんです!みんな重要人物なのに、みんなところどころ見切れているんですよ(笑)。全員主役なのに、端っこで踊っていたり、後ろの見えづらいところで歌っていたりする、すごい状況ですよね。

――キャストの皆さんでのライブを想像してしまう1曲ですね。

小野 彼らほど踊れはしないでしょうけど、歌う機会があるのならすごく楽しみですね。

――アンコールの「Welcome, Future World!!!」もŹOOĻを含めた全員で歌っていますが、非常に素敵な瞬間でした。

小野 これまでの軌跡を感じますよね。それにTシャツ姿もライブの最後を思わせる。僕らがやったライブでも、アンコールではTシャツとそれぞれのグループのリストバンドをつけてやっていたので、そういうところがリンクしているのは、ずっと応援してくださっている皆さんが見たらきっととても嬉しいものですよね。



『アイドリッシュセブン』のステージでついに初実装されたもの!?



――今回はステージのマッピングでの演出も素晴らしいですよね。引きの絵だけでも観たくなります。

小野 歌詞が映し出されている演出もありましたし、定点カメラ映像でも観たくなりますね。全体像で観たいステージと言うと、僕は特にTRIGGERの<DAY 1>の「Last Dimension」、すごく印象に残っています。TRIGGERの後ろで踊っているダンサーさんがいるんですけど、3人がセンターステージに出ていくことによってみんなの視線が全部そこに向かうんです。それでも1人で踊っている姿にすごく胸がギュッとなって……でもこれ、実際にもあるよなということを共感できて「ライブあるあるだな」って思ったんです。それが切なくて。特典でダンサーさんの本番後のインタビューとか作ってくれないかなぁ(笑)。

――たしかに踊る姿がとても美しかったですが、どんどん視界から消えて……!TRIGGERのようにほかのグループのステージで印象に残ったものはありますか?

小野 Re:valeの「Re-raise」ですね。MVそのままという感じで、すごく良いステージングでした。僕、ライブでのブラスバンド演出が好きなんです。一緒に踊るように演奏するところも、かっこいいなぁって思いました。



――特注だというソファも出てきますし。

小野 そうですよね。あとはIDOLiSH7の「MONSTER GENERATiON」の演出が一番衝撃的でした。傘を持って踊るものでしたが、今までの実際のライブも含めてほかのグループはダンサーさんが出てくるけど、IDOLiSH7ではなかったんです。でもここに来て、僕らのライブよりも先に彼らがダンサーを実装したことが衝撃的でした。あとは僕らキャストが踊っていた振りと全然違う振り付けがすごく新しく映って、新鮮でしたね。

――実際のステージに立ってきた小野さんからご覧になって、先ほどのTRIGGERの演出にもあるような「これはライブあるあるだな」と思われた演出はほかにもありましたか?

小野 ライブっぽいなって思ったのは、開演前の客席がざわざわしている感じ。あれはすごくライブらしさがあって、「そこから始まるんだ!」って感動しました。「今からライブが始まる」というソワソワ感みたいなのは、僕らも袖にいるときに聞こえてくるんですよね。「ヤバい!今からライブが始まるぞ!」と思って、一番テンションがアガるポイントの部分をしっかりと切り取ってくれていることがすごく嬉しかったです。実際のライブ映像もこのシーンから始まりますが、そこをきちんと表現してくれているところも、このライブの真骨頂だなと思いました。最初はそれぞれの推しの色で振っているペンライトだけど、スクリーンに出てくるアイドルによって色を変えていく瞬間も「まさにライブ」。そこから実際に大きなスクリーンで映っている映像を綺麗な画面で見せるところもそうだし、本当のライブを見ている感覚でした。本当にすごい!



共に歩んできたからこそ発揮されたアドリブのアフレコでの“らしさ”



――MCの場面では思い思いに言葉を発していたメンバーたち。アフレコの思い出をお聞かせください。

小野 割と「おまかせ」っていう感じでアドリブも多かったので、正直大変でした(笑)。僕らは基本的には台本にあるセリフを言うことが仕事なので、アドリブでって言われて少し戸惑いました。でもアドリブでここまでしっかり陸を演じることができたのは、今までの8年間をみんなで様々なことを経験し、共有してきたことが大きいなと感じました。それぞれが言うセリフに対して、どういう反応をするかなというところは長年の経験が活きた瞬間でした。

――事前にアドリブについてはある程度考えていかれたのでしょうか。

小野 ライブっぽくするならこういう言葉が必要だよな、というものはなんとなくイメージしていましたが、固めるところまではしていなかったです。ただ、ライブでの姿をイメージして「こういうことがあるだろうな」ということは想定していました。

――アフレコは何人かでされたんですか?

小野 僕は主に増田(俊樹/和泉一織役)くんとやったりしました。3日間くらいに分けてのアフレコだったのですが、TRIGGERが3人揃っているときに一緒に録ることもありました。IDOLiSH7全員が揃うことはなかったのですが、「ここでこのアイドルがこんなことを言っているだろうな」ということはなんとなく予測できましたし、それはここまでの経験のおかげだな、と思います。陸の場合は元々笑って反応することが多いので、困ったら笑おうと思っていました(笑)。このライブが陸にはすごく嬉しいだろうから。

――この2日間のライブを観終えて、どのような想いがありますか?

小野 実際にライブをやったときと同じ感覚というか。充実感を味わいましたね。これは今までライブをやったあとにも感じていたことなんですが、すごく大変だったけど、終わるとすぐに「またやりたいな」といつも思っていたので、その気持ちと同じことを感じていました。ほかのグループの単独ライブを見たときもそうですが、こうやってライブをしている姿を見ていると「またライブがしたいな」と思います。

――ご自身はこのライブ、どんなふうに楽しみたいですか?

小野 ライブを見て一番思ったのは、彼らの表情がすごく素敵だなってことだったんです。歌っている表情も歌い終わった表情も素敵だなと思ったので、そこは観ていただきたいポイントとして挙げたいです。それがさっきの「目が足りない」という言葉になるんですけど、1人ずつを追っていきたい気持ちになりますよね。

――では最後に読者へメッセージをお願いします。

小野 僕自身も目が足りないなって思いますが、応援してくださる皆さんには僕なんかよりももっと「目が足りない」と思ってもらえるんじゃないでしょうか。ここまでのものを作り上げてくださったスタッフさんたちは本当にすごい!と心から思っています。1人動かすのだって大変だと思うのに、バラバラに動く人たちが16人もいて、一瞬一瞬、一人一人に表情をつけているし、ずっと動き続けているんです。歌って、踊っている。それをこのクオリティで作りあげた監督をはじめ、スタッフの皆さんの努力の結晶を何度も何度も、余すことなく観てもらいたいと思います。



●作品情報

『劇場版アイドリッシュセブンLIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』



公開日:

2023年5月20日(土)<DAY 1>

2023年5月21日(日)<DAY 2>

2023年5月22日(月)〜<DAY 1>&<DAY 2>

上映時間:約90分

原作:バンダイナムコオンライン/都志見文太

監督:錦織博/山本健介

脚本:都志見文太

キャラクター原案:種村有菜

CGチーフディレクター:井野元英二

キャラクターデザイン:宮崎瞳

美術ボード:大久保錦一

色彩設計:三笠修

総撮影監督・ルック開発:若林優

編集:瀧川三智/須藤瞳/仙土真希/山岸歩奈実

編集スーパーバイザー:西山茂

音楽制作:ランティス

音響監督:濱野高年

制作:オレンジ

製作:劇場版アイナナ製作委員会

配給:バンダイナムコフィルムワークス/バンダイナムコオンライン/東映

【キャスト】

<IDOLiSH7>

和泉一織:増田俊樹

二階堂大和:白井悠介

和泉三月:代永翼

四葉環:KENN

逢坂壮五:阿部敦

六弥ナギ:江口拓也

七瀬陸:小野賢章

<TRIGGER>

八乙女楽:羽多野渉

九条天:斉藤壮馬

十龍之介:佐藤拓也

<Re:vale>

百:保志総一朗

千:立花慎之介

<ŹOOĻ>

亥清悠:広瀬裕也

狗丸トウマ:木村昴

棗巳波:西山宏太朗

御堂虎於:近藤隆

©BNOI/劇場版アイナナ製作委員会

関連リンク



『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』

https://idolish7.com/film-btp/

『アイドリッシュセブン』公式サイト

https://idolish7.com/

『アイドリッシュセブン』公式Twitter

https://twitter.com/iD7Mng_Ogami

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