値上げの波が止まらず、6月1日から加工食品や調味料を中心に約3500品目が更なる値上げとなります。物価の高騰は憧れのマイホームにも大きく影響しています。

<田子重西中原店 増田克己店長>

「こちらのカップ麺、袋めんも値上げとなる。全般的に10~20円の値上げで、こちらのカレーも値上げとなり、ルウは10~20円、高いもので40円上がるものもある。カレーは安く食べられる商品なので大変」

静岡市にあるこちらのスーパーマーケットでは、6月6日からさまざまな商品が値上げとなります。海苔は最大100円ほどの値上げに。家庭の味方である商品が続々と値上げとなり、消費者も嘆きます。

<客>

「極力食費のかからないメニューにしようとか、そういうことは考える」

「なんとかならないかと思うが、諦めることの方が多い」

帝国データバンクによりますと、6月に値上げする食品は即席めんやカレールウ、調味料など3575品目です。値上げの理由については原材料の高騰に加え、電気代の上昇が影響していると分析。7月以降も値上げの動きは続くとしています。

値上げの波はこんなところにも。静岡県焼津市にある分譲住宅です。

<セキスイハイム東海 営業企画部 松永昌和部長>

「住宅の中では木材の資材が一番大きく使われている。基礎に使われているコンクリートや土間コンクリート、鉄筋などの高騰もあった」

多くの人が一度は憧れるマイホームも価格が上昇中。原因は資材価格の高騰です。国土交通省が公表している不動産価格指数によりますと、2010年の平均を100とした場合、2023年1月は134.3%と大幅に価格が上昇していることが分かります。

こちらの住宅メーカーは従来より2~3割ほど資材価格が上がる中で、販売価格は約1割ほど上昇しているといいます。価格の上昇は資材の高騰だけではなく他の側面からも。

<セキスイハイム東海 営業企画部 松永昌和部長>

「建築業界は昔から大工の高齢化や人材不足が言われている。中には海外から大工を雇っている会社もあるが(人材不足の)影響は受けている」

住宅購入の際に多くの人が利用する住宅ローンにも変化が出ています。

<静岡県労働金庫 静岡中央ローンセンター 山本孝尚次長>

「(静岡市内の業者からの申込み状況によると)2021~2022年度にかけて、約300万円程度、申込金額は上昇している」

資材の高騰だけでなく、環境や防災への意識の高まりから設備を充実させた住宅を検討する人が増えたことも要因だと話します。

先の見えない値上げの波はいつ落ち着きを見せるのでしょうか。

<井出春希キャスター>

住宅の購入をめぐっては購入者の負担がさらに増える懸念があります。多くの人が申し込む住宅ローンで気になるのは金利です。静岡経済研究所の恒友仁常務理事は「数年単位で金利が上昇傾向になるのでは」と話します。

借り入れ金額4000万円、返済期間35年、金利2%。こちらの条件でシミュレーションしてみると、金利が0.1%上がると返済金額が約86万円上がる計算になり、購入へのハードルはさらに上がることになりそうです。