子どもの就学を機に在宅ワークに切り替えるが、余裕があるわけではないという(写真はイメージ)

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 小学生を育てる共働き家庭にとって、サポートしてくれる人が多いことに越したことはない。昨今、実家を頼れない家庭も増えており、仕事と育児の両立に悩む親も。働き方改革やコロナ禍の影響で在宅ワークに切り替えた人もいるものの、それでも完全に「小1の壁」を乗り切れるわけではないという。

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 小学生と幼稚園に通う姉妹を育てるさざなみさん。もともと仕事は在宅で行なっているため、お姉さんは学童施設は利用していない。

「同じ学校へ子どもが通う友人や親族のお家では、学童に入れるかどうかが鍵となっていて、決まるまでは不安でたまらないという話をよく聞きました」

 家で仕事をしているからといって小学生育児は余裕、というわけではない。小学校低学年のうちは帰宅時刻が早いため、ちょうど妹さんの幼稚園のお迎えとタイミングが重なってしまう。入学してすぐは、慣れない通学路を帰ってくる娘さんを穏やかに迎えてあげたいと思いつつも、実際はあわただしくピックアップし、そのまま幼稚園に向かわなければならなかった。

「少し通学に慣れてきた頃であっても、ひどい雨が降ったり不審者情報が出たりなどで、お迎えに行かなければならない場面が突発的に生じます。子どもを不安にさせないことを第一に考えながら、夕方はいつも時間のやりくりに気を遣っています」

 親族のサポートがない分、同級生の親との連携が重要になってくることも。さざなみさんも、入学式や参観日等のタイミングで、娘さんと同じクラスの親御さん何人かとアドレスの交換をしあったそうだ。連絡帳等に持ち物などを子どもが書いてくるが、不明点が出てくるのも“小学生あるある”だろう。

「連絡事項を確認したり、天候不具合のときにお迎えに来れるまで子どものフォローをしたり、など有事の際に助けられました」

 幼稚園の頃よりも家を出る時間が1時間早くなったことが、ライフスタイルの変化としては一番大きく感じる点だという。睡眠時間を確保するため、夜は早めに眠れるよう生活の流れを見直した。

 学校の宿題や、翌日の準備物を確認する時間もしっかり取らなければなならない。親が代わりにやってあげることもできるが、それではいつまでも自分でやるマインドにならない。そのため、さざなみさんは、毎日鉛筆の数を数えるところから一緒にやったという。

 こうしたケアと仕事の両立が生じるのが小学生育児。「子どもが戻ってくる夕方以降は自分の仕事はできないものとし、午前中や夜中に集中して仕事を詰めるようになりました」と、時間のやりくりに苦労するお母さんも多い。

 さざなみさんが仕事をしながら子育てするために大切していることは「仕事での不安やイライラを家庭の場に持ち込まない」。

「特に長女は、私の不安な顔、疲れた顔を敏感に察知して気遣ってくれます。長女だって一日気を張って学校で過ごしてきたわけですから、家ではのびのびくつろいでほしいのです。私自身のメンタルを安定させることを第一に考えて、仕事の分量やスケジュールを余裕をもって組むようになりました」

■一緒に遊んでいた姉妹、お互いの時間の過ごし方にも変化が

 お姉ちゃんは読書やお絵描き好きで、1人の時間を大切にするタイプ。一方妹は、天真爛漫で誰かと遊ぶのが大好き! …と姉妹でも全く異なる性格だという。とはいえ、仲が良くお互いに刺激を与えながら、ごっこ遊びなどで盛り上がれる2人。

 お姉ちゃんが小学生になったことで、これまでとは生活スタイルが代わり、姉妹の様子にも変化が。小学校では毎日宿題が出るため、それが終わらないとお姉さんとは遊べない。遊ぶためには、お姉さんが集中して宿題ができるよう静かにしなくてはいけない。

「(宿題時間について)姉妹ふたりともに理解してもらうのにしばらく掛かりました。お姉さんの邪魔をしてはいけない時間がある、ということをやっと次女が分かってくれるようになりました」

 そんな姉妹を育てるさざなみさんに、今後2人がどんなふうに育っていってほしいか聞いた。

「それぞれとても個性的で家族に新しい風をつぎつぎもたらしてくれます。自らが思うように進んでいってくれたらいいと思います。親としては、できる限りサポートできるよう、仕事や健康維持をがんばります」

●さざなみさん…小学生と幼稚園に通う2人の娘さんを育てながら、TwitterやInstagramで子育て漫画を発信中