『アガサ・クリスティー ミス・マープル』主役交代の舞台裏

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英ITVにて2004年から6シーズンにわたって続いた『アガサ・クリスティー ミス・マープル』では、主役のミス・マープル役がシリーズ途中で交代した。その交代劇についてお伝えしよう。

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シーズン3終了後に初代が去り…

同作で当初ミス・マープルを演じていたのはジェラルディン・マクイーワン。シーズン1からシーズン3までの計12話に出演したが、シーズン3が本国で放送されている途中だった2008年1月下旬に同役から降板することを発表した。

ジェラルディンは「バトンを渡さなければならないのはとても残念ですが、過去数年にわたってこの役として生きることができたのは素晴らしい経験でした。私の後を継いでくれる人は誰であっても、才能にあふれた脚本家や俳優と一緒に素敵な時間を過ごすことができるでしょう。2003年からミス・マープルとして仕事ができたことは大いなる喜びでしたし、たくさんの思い出を作ることができました」と述べている。

ジェラルディンは降板理由を明かさなかったものの、当時70代半ばだった彼女にとっては、毎話1時間半ほどのシリーズに主演し続けるのが大変だったのかもしれない。この作品以降はほとんど表舞台に出ず、声だけの出演という仕事を数回こなした後、2015年に82歳で亡くなった。

そんなジェラルディンの後任としてジュリー・ウォルターズ(『リトル・ダンサー』)やアイリーン・アトキンス(『ゴスフォード・パーク』)の名前が挙げられる中、降板発表から3週間足らずの2月中旬、ジュリア・マッケンジーが新マープルを務めることが明らかに。ジェラルディンより9歳下のジュリアはミス・マープルを演じるにあたって「とてもワクワクしています。それと同時に、これだけ有名な役を演じるという責任の大きさにちょっと身がすくむ思いです。世界中の人々がミス・マープルはどんな人かを知っているので、彼女を演じることは大きな挑戦です。まずは(ミス・マープルがよくやる動作の一つである)編み物の仕方を思い出さないといけませんね」と話していた。

ジュリアは役に決まった2月から早速撮影開始。シーズン4から最終のシーズン6までの計11話で2代目ミス・マープルを演じた。ちなみに、ミス・マープルの後任候補として報じられていたプルネラ・スケイルズは、シーズン4の「ポケットにライ麦を」にマッケンジー夫人役で出演している。(海外ドラマNAVI)