有酸素運動で筋肉が落ちるのはなぜ?仕組みや原因、落とさない方法を解説

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「有酸素運動を行うと筋肉が落ちる」という話を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

ダイエットや健康維持に良いと言われる有酸素運動なのに、なぜ筋肉が落ちてしまうのかは気になるところです。

この記事では、有酸素運動で筋肉が落ちる仕組みや原因、筋肉を落とさないための対策方法について解説します。

有酸素運動で筋肉が落ちるってどういうこと?

有酸素運動とは、酸素を使いながら体内の糖質や脂質をエネルギー源にして行う運動のことです。脂肪を燃焼してエネルギーに変えるため、ダイエットに良い運動として知られています。

有酸素運動で筋肉が落ちる理由は、体を動かすためのエネルギーを生み出す仕組みが関係しています。

有酸素運動では、まず糖質がエネルギーとして消費され、次に脂肪が分解されて脂質がエネルギー源となります。

体内から糖質も脂質も不足すると、筋肉を分解してタンパク質をエネルギーに変えようとする働きが起きてしまうのです。

とはいえ、有酸素運動をすればするほど筋肉が落ちるということではないため、もともと筋肉量が少ない人の場合はそれほど気にすることはないでしょう。

しかし、筋肉量が多い人や筋肥大を目指す人は、有酸素運動のやり方によっては筋肉量が減ってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

有酸素運動で筋肉が落ちる5つの原因

有酸素運動で筋肉が落ちるのは、エネルギー源となる栄養素が体内から不足することで筋肉が分解されるという仕組みが関係していますが、具体的にどのようなときに起こるのでしょうか。

ここからは、有酸素運動で筋肉が落ちるという場合に考えられる主な原因を5つ紹介します。

長時間やりすぎる

有酸素運動のやりすぎは、筋肉が落ちる原因となります。

有酸素運動時のエネルギー源は「糖質→脂質→タンパク質」の順で変わるため、長時間運動をすれば体内の糖質や脂質を使い切ってしまい、筋肉が分解されやすくなります。

また、有酸素運動をすると、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。

コルチゾールの上昇は筋肉量を低下させると言われているため、分泌量が増えてしまうと、その分筋肉が落ちやすくなってしまうのです。

有酸素運動の時間は、1回あたり20~30分であっても脂肪燃焼効果が得られることが分かっています。無理をして長時間行う必要はないので、長くても1時間以内を目安にすると良いでしょう。

糖質制限をしている

糖質制限とは、糖質(主に炭水化物)の摂取量を抑えるというダイエット方法です。

体内で余った糖質は脂肪に変換されてしまうので、食事から摂取する糖質量を制限することで、脂肪がつきにくくなるというメリットがあります。

ただし日常的に有酸素運動を行う場合、糖質制限をしていると必要なエネルギー源が不足し、筋肉が落ちる原因になります。

糖質制限ダイエットがNGというわけではありませんが、有酸素運動をするのであれば、ある程度の糖質は摂取したほうが良いでしょう。

タンパク質が不足している

タンパク質は筋肉の材料となる栄養素です。筋肉を作るための材料が不足した状態では、いくら有酸素運動をしても筋肉量を増やすことはできません。

厚生労働省が公表する「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、体重1kgあたりのタンパク質の必要摂取量は、0.65g/日程度となっています。

つまり、体重50gの人なら1日32.5g程度タンパク質の摂取が必要ということです。

これはあくまでも目安であり、日常的に有酸素運動をする習慣がある人は、もう少し多めの摂取を心掛ける必要があります。

有酸素運動をしているのに、なかなか筋肉がつかないという人は、肉や卵、プロテインなどを積極的に摂取して、タンパク質を補給しましょう。

空腹時に運動している

体内に糖質が少ない空腹状態で有酸素運動をすると、すぐにエネルギー不足に陥ってしまうため、通常よりも早く脂肪燃焼が始まります。

ダイエットで脂肪燃焼したい人には効果的ですが、筋肉の分解が始まるタイミングも早まることになるので、もともと脂肪が少ない人は注意が必要です。

順番が間違っている

有酸素運動で筋肉を落とさないように、筋トレを取り入れている人もいるかもしれません。短時間で高い負荷をかけて行う筋トレには、筋肉量を増やす効果が期待できます。

しかし、有酸素運動と筋トレの順番が間違っていると、思うような効果が得られないことがあります。

有酸素運動と筋トレを同日に行う場合、正しい順番は「筋トレ→有酸素運動」です。有酸素運動を先に行うと、エネルギー源となる栄養素が体内から不足した状態で筋トレを行うことになります。

そうすると筋肉を分解しようとする働きが起こりやすくなり、「筋トレをしているのになかなか筋肉がつかない」という結果になりやすいのです。

有酸素運動で筋肉を落とさないための対策方法

有酸素運動は正しいやり方で行うことで、筋肉を落とすことなく、筋力や持久力の強化につながります。

有酸素運動で筋肉を落とさないためには、以下の順番でトレーニングをするのがおすすめです。

筋トレ タンパク質の補給(プロテインやアミノ酸バーなど) 有酸素運動

有酸素運動の前にタンパク質を補給してすると、筋肉減少を軽減することにつながります。

また、有酸素運動は「やればやるほど痩せる」という運動ではないため、長くても1日1時間以内に抑えるなど、やりすぎには注意しましょう。

有酸素運動と筋肉の関係を知って効果的にトレーニングしよう

有酸素運動は、やり方や順番を間違えてしまうと筋肉が落ちる原因になります。

有酸素運動と筋肉の関係をしっかりと理解して、筋トレを組み合わせながら効果的なトレーニングを行ってみましょう。

今回紹介した対策方法も参考に、正しい順番で有酸素運動を取り入れて理想のボディを目指してみてはいかがでしょうか。

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