公園で出会ったママに、息子の状況を話したNEGIさん

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 知的障害を伴う自閉症の息子さんを育てるNEGIさん(@negiii51)は、息子さんの就学前、親子で公園に行くことが日課になっていた。当時の息子さんに発語はなく、言葉でのやりとりがほぼ不可能な状況。関わり方に悩んでいたが、頼るところもなく孤独を抱えていた。「ママ友ってどうやったらできるのだろう」と考えはしたが、我が子の安全を守るので精一杯の日々。早々と友達作りを諦めていたが、ある日の公園で「今でもよく覚えているくらい、モヤモヤする」というほど衝撃的なママと出くわしたという。

【漫画】本編を読む「公園でママ友を探している人に出会った話」

■話す前から「合わなさそう…」、公園で”ママ友”を作りに来ているママに遭遇

ーー公園に行っていた時期は、息子さんとの関わり方に悩んでいた時期でもあったと描かれていました。当時どのような悩みを抱えていましたか?

「私が息子を産むまでの経験上、障害のある方と関わる機会がなかったのと”自閉症”という特性を全く知らなかったので、まず『私なんかに育てられるのだろうか』という不安が大きかったです。

ーーどんな場面で特にそう感じていましたか?

「問題行動をした時、理由があるとわかっていても、なぜその行動になるのか。本人の気持ちを理解するのが難しいのです。でも可愛い我が子のことですから、検索魔になって必死に調べましたが、結局のところ自閉症には幅広いタイプの特性があるので、息子一人に合うベストな対応策などの明確な答えはどこにもなくて、困り悩みました。最初の母の試練ですね! 全て手探りの育児なのが悩みでした。当時は他の障害児ママとの接点もなかったので」

ーーその時期に公園にいたのが、話しかけたそうに周囲を見て周っていたママだったと。実際にNEGIさんに話しかけようと移動してきたとき、「期待にお答えできそうにない…」というNEGIさんの心の声も描かれていましたね。会話をしながらどのようなことを考えていましたか?

「そもそも、そのママはお子さんのことを全く見ていなかったんですよ。もう話す前から『合わないなー』と思っていました(笑)。自分のことで必死な感じだったので、我が子のことで必死な私は真逆なタイプでしたし。話してみても、やっぱり合わないなと」

■子どものことを伝えた途端、挨拶もせず立ち去る「まるで、私たちの存在を消し去ったかのよう」

 NEGIさん親子が遊んでいた砂場に子を連れてやってきて、隣に座ったと思うと「近くに住んでるんですか?」「幼稚園決めてます?」「トイトレって始めてます?」「旦那さんは育児に協力的?」と質問攻めに。子ども同士で話そうとするも、NEGIさんの息子さんは言葉を話せなかったため、その場は気まずい雰囲気になっていく。もう仕方ないと決意したNEGIさんは、息子さんが話せないこと、自閉症であることを伝えた。

 話しかけてきたママの顔色はみるみる変わっていき、いきなり立ち上がって「もう帰ろうか〜」と子どもに声をかけ、挨拶もないままNEGIさん親子の前から去ってしまったという。漫画には「まるで、私たちの存在を消し去ったかのように 避けられた」と当時のNEGIさんの気持ちが綴られている。

ーーママ友の存在や関係性について、今だから感じることがあればお聞かせください。

「ママ友って子育てに絶対必要なものではないということですね。わざわざ無理して作るものではないし、お互いに余裕ある時に巡り合えたらラッキーというくらいで当時は考えていました。

 ただ同じ障害児ママ(特に育児の先輩ママ)との繋がりは多少必要だと思ってます。経験談や情報も沢山お持ちですし、アドバイスなど頂けると本当に助かります。先輩ママとしても教えて助けてあげたいって気持ちがあるはずなんです。お互いに助け合えます」

ーー無理してママ友を作る必要はない?

「私達の子育ては本当に毎日が必死で。障害への親族からの無理解や旦那への不満とか、子どものことだけじゃなく多くの悩みを抱えてる方もいます。そこに合わないタイプのママ友との問題って、かなりのストレスなんです。気が合えば癒しになりますが、全てがそうでもないですし…。

 その悩みを抱えるくらいなら、日々の生活を楽にするために、自分のメンタル維持のために無理しなくていいのではと思います。それにママ友って『作ろう!』と思って都合よく作れるもんでもないので。結局出会いは運ですから」

ーー今後、どのような漫画を届けていきたいですか?

「私も若いお母さんたちに比べたら少し先輩ママにもなったので、育児漫画を描き始めたんです。最近は育児以外の事も書いてみたいなーとも思ってます。ジャンルは多少変わっても、ちょっとした隙間時間に読んで楽しめたり、共感したり、ホッコリしたり!少しでも誰かの役に立てるものを描いていけたらいいなと考えています」