2009年から8年にわたり、アメリカの大統領を務めたバラク・オバマ氏。ファーストレディとしてミシェル氏への注目も集まり、二人の子を持つ“おしどり夫婦”として知られています。

ところが最近になって、夫婦仲が険悪だった時期が10年ほどあったことをミシェル氏が告白。同発言について、新たなインタビューでバラク氏が明かしたこととは?

「夫に耐えられなかった」

昨年12月、様々な世代の女性リーダーを集めて行われた<Revolt TV>のパネルディスカッションにゲストとして招かれていたミシェル氏。そこで恋愛やパートナーシップの話題になると、「10年ほど夫に耐えられなかった時期がありました」と切り出した。

「子どもたちがまだ幼かった頃です。子どもが生まれる前は、個々の世界があったので、夫が出かけて家にいない時間、私は一人の時間を楽しめていました。でも、子供が生まれた瞬間から、『出かけるの? どこに?』と聞きたくなるんです。そのうち、夫がおむつを何回交換したか頭の中で計算したり、ゴルフに行くと聞けば『ゴルフに行く時間があるんだ? 私はジムにも行けないのに?』と考えるのです」

ストレスや緊張感を理解できていなかった

先日「CBS Mornings」に出演したバラク氏は、妻ミシェル氏のこの発言について当時を振り返りながらコメント。夫婦仲が悪化していることに気づいた後、どのように関係を修復していったのかについて明かしました。

「ホワイトハウスを出て、妻との時間を増やしたことが大きかったですね。子どもたちの成長も関係あります。娘たちが幼かった時期、ミシェルは常に子どもたちを最優先に考えていました。私は、私なりに父親として関与しているつもりでした。一方で、ミシェルにのしかかっていたストレスや緊張感をきちんと理解できていなかった」
「私たち夫婦に対する監視の目が常にあったのはもちろんのこと、(ホワイトハウスという)独特な環境の中で子育てをしなければならなかったのです。娘たちも成長し、ミシェルは以前よりも私の欠点を許してくれているようです。『振り返ってみると、あなたは父親として悪くはなかった』と言ってくれました」

相手に敬意を持てるかが結婚生活のカギ

先述のインタビューで、子育てに対する向き合い方が大きな原因だと明かしていたミシェル氏。一方で、それでも結婚生活をつづけた理由についても次のように明かしています。

「子どもたちは、コミュニケーションが下手だし理不尽。それでも世界一愛している存在。だから、子どもたちを責められない。そして、夫婦は互いにその怒りをぶつけ合うんです。私は個人のキャリアを積もうとしていながら、子どもの学校の心配をして… 不公平な立場にあるのだと感じ、憤っていました」
「ただし、結婚生活はずっと同じ均衡を保つわけではなく、時期によって関係は変化するもの。私たちには10年の悪い時期がありましたが、30年にわたって結婚生活をしています。私たちは、10年の辛い時期にめげずに30年の結婚生活を選びました。結婚を諦めるかどうかの基準は、相手に対し敬意を持てるかどうかだと思います。『腹は立つけど、リスペクトはする。賛成はできないけど、あなたは優しくて頭のいい人』と思えるかどうかです。なぜなら、感情は常に変化しますから。夫婦や人間関係は常に努力が必要なのです」

「結婚はキラキラしたものではなく、大変だと知ってほしい」と話し、他のインタビューでも、夫婦関係を維持することの大変さを語ってきたミシェル氏。

それでも「私の家は家族。バラクなのです」と話したり、自伝発表時の緊張を解いて最もサポートをしてくれたのは夫であったことを明かすなど、悪い時期を超えて家族として支え合っている様子がうかがえます。

娘たちも大人になり、現在24歳のマリアはハリウッドで脚本家をしており、さらにショートフィルムの監督を務めることも発表されている。そして、21歳のサーシャは先日大学を卒業したばかりで、オバマ夫妻が手を繋いで卒業式に参加しているところが目撃されています。