イスラエルのSightfulがノートPC「Spacetop」を発表した。

本体にディスプレイがなく、AR(拡張現実)グラスを接続して使用する。ARまたはVR(仮想現実)環境でPCを使用するソリューションはすでにいくつか存在するが、同社は今日のノートPCの進化形としてSpacetopをデザインしており、「ノートPCの物理的な制約を取り払う、世界初のARラップトップ」とアピールしている。アーリーアダプター・プログラムも発表しており、希望者から利用者ターゲットに合致する1,000人を選んで初回生産分を提供する。



Spacetopは、Apple、Microsoft、 Magic Leapのベテランを含む60人以上の空間コンピューティングの専門家から成るチームが約3年の時間をかけて開発した。Spacetop向けにカスタマイズしたNrealのARグラスを採用。本体はノートPCからディスプレイを取り外したような外観で、キーボードとトラックパッド、ARグラスの収納スペースを備える。本体の製造はWistronが担っている。

「Spacetop OS」という独自のOSを搭載しており、本体とARグラスを有線接続し、Spacetopを起動すると、目の前に「100インチを超える仮想キャンバス」が広がる。デスクトップのように机に制約されることなく、自宅のソファやカフェなど、ノートPCを使える場所ならどこでも、仕事に必要な大きな画面やマルチモニターを空間(スペース)に展開できる。だから、「Spacetop(スペーストップ)」だ。



Spacetopの特徴は、従来のデスクトップPCやノートPCと同じ感覚で簡単に扱えること。画面の配置は固定され、ARグラスをかけた頭を前に動かすと画面に近づき、後ろに下がると画面から離れるようにズームアウトする。操作に特別なジェスチャーを覚える必要はなく、ノートPCをキーボードとトラックパッドで操作するようにSpacetopを扱える。

主なスペックは以下の通り:

SoC:Qualcomm Snapdragon 865(Kryo 585、Adreno 650)

メモリー:8GB

ストレージ:256GB

ワイヤレス:Wi-Fi 6(802.11ax)、Bluetooth 5.1、5G NR Sub-6

その他:5MPカメラ、USB-Cx2(PD3.0、SuperSpeed USB、DisplayPort1.4対応)

OS:Spacetop OS

サイズ:26.6×24.9×4センチ、1.5キロ

バッテリー動作時間は5時間以上。Sightfulはあらゆる作業がAR環境で行われる未来を思い描いているが、最初の製品のアーリーアダプター・プログラムは「Web環境で仕事をする人」に対象を絞り込んで提供する予定。