CBS MarketWatchによると、8日の米株式市場は、原油相場が続落したことに加え、米クリーブランド地区連銀の サンドラ・ピアナルト総裁が同日、住宅市場を中心に全般的な経済活動が安定しつつあるとの兆候を指摘し、過去17回に上る利上げ効果がまだ完全には感じられないと発言したことから景気拡大観測が高まって変われ、ダウ平均株価指数は、前日比60.67ドル高の1万1392.11ドルと反発した。週間では0.6%安。

  ハイテク株のウェートが高いナスダック総合株価指数は同10.50ポイント高の2165.79、S&P500株価指数も4.90ポイント高の1298.92とそれぞれ反発して引けた。週間では、ナスダックは1.25%安、S&Pは0.9%安だった。

  一方、ピアナルト総裁はイリノイ州オークブルックで行なわれた講演で、「上昇傾向にあるインフレ指標」が依然として懸念材料であると述べ、インフレへの警戒感を示したことから相場の伸びは限られた。

  個別銘柄では、業績見通しを下方修正した米住宅建設大手レナーが前日比1.7%安の42.71ドルで引けた。通信機器用半導体メーカーの米ブロードコムは、ストックオプションの関連費用をめぐり、当初予想の2倍となる15億ドルの負担を計上することを明らかにしたことを受け、同1.3%安の26.09ドルで引けた。

  一方、米パソコン・プリンター大手HP(ヒューレット・パッカード)は、パトリシア・ダン会長が辞任の可能性を示唆したことから、同2.1%高の36.17ドルで引けた。同会長は、社内機密情報の漏えい問題で、漏えい者を特定するため、同社役員や報道関係者の通話記録を無断で使用した社内調査に関与したとして批判されている。【了】