病院の倒産では今年最大

 医療法人社団心和会(TDB企業コード:260097024、資産の総額43億9971万714円、千葉県四街道市旭ケ丘3-3-5、登記面=千葉県四街道市四街道1-14-8、理事長荒井泰助氏、従業員約800名)は、4月4日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 申請代理人は郄橋修平弁護士(東京都中央区京橋3-3-2、郄橋修平法律事務所、電話03-6903-3210)ほか。

 当法人は、1947年(昭和22年)頃に創業、54年(昭和29年)7月に医療法人荒井病院として法人改組、67年(昭和42年)3月に医療法人社団心和会に改組した。「八千代病院」(422床、精神科、心療内科、内科など)、「新八千代病院」(295床、内科、血液内科、糖尿病内科、消化器内科、神経内科、整形外科、リウマチ・膠原病、眼科、泌尿器科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、形成外科、皮膚科、リハビリテーション科、心療内科など)、「成田リハビリテーション病院」(100床、2017年開設)の運営のほか、リハビリや検診、フィットネス、スパ療養などを行う「シンワメディカルリゾート」、老人保健施設の「荒井記念ホーム」、「大和田訪問看護ステーション」なども開設し、2022年3月期には年収入高約97億5900万円を計上していた。

 しかし、医療施設関連の借入金は過大で負担となっていたうえ、2020年8月には「八千代病院」で入院患者および職員に新型コロナウイルスのクラスターが発生、感染拡大防止に関わる設備負担が膨らみ、赤字決算を強いられていた。加えてこの間、前理事長のもとでの不動産取引をめぐるトラブルや資金流出もあり、取引先への支払遅延が発生し信用不安が拡大していた。2022年には債権者から預金の仮差押さえを受けるなど、資金繰りはひっ迫。ノンバンクから資金調達を行いしのいできたものの、過去のトラブルが尾をひいて抜本的な経営改善が進まず、2023年2月に現理事長が就任していた。ここにきて金融機関の支援も限界となり、今回の措置となった。

 負債は、2022年3月期末時点で約80億9900万円だが変動している可能性がある。