米Intelは現地時間の3月23日、第13世代CoreベースのvProプロセッサを発表した。こちらについて簡単に紹介したい。

Photo00:

まず発表されたSKUであるが、表1にDesktop向け、表2にMobile向けを示した。Desktopの35/65W製品はvPro EnterpriseとvPro Essentialsの両方が用意され、一方125W品はvPro Enterpriseのみとなっている。またMobile向けはU/P-Seriesに関してはvPro Enterprise/vPro Enterprise for Chromeがラインナップが重なっている格好だ。

■表1:Desktop向け

■表2:Mobile向け

ちなみにvPro EnterpriseとvPro Essentialsで提供される機能をまとめたのが表3である。基本的な仮想化機能(VT-x/VT-d)やPTT/CET、Boot Guard/BIOS Guardなどの機能はvProを搭載しないただのCoreプロセッサでも利用可能だが、それ以外の機能は当然vProプロセッサのみ、となっている。

といっても、そもそもvProはvProであって、既存の製品から新機能が大量に入ったとか全く新しい機構になった、という訳では無い。では今回のvProは何が特徴か? というのがこちら(Photo01)。vProのターゲットがビジネス向けという事もあり、当然3〜4年毎の刷新という事になる事を前提に、その3〜4年前のPCと比較して大幅に性能が改善しているとする。

Photo01: 個別の要素は以下で詳細に説明したい。

まず4年前のPCと比較して、攻撃に対しての脅威が概ね70%減少した(Photo02)というものだが、当時の製品だとまだOSがWindows 10(流石にWindows 8.1は絶滅していると思いたい)のものが残っている筈で、こうしたものがWindows 11になるだけでもだいぶ攻撃への耐性が増している筈だ。加えてTDTに最新のウィルス対策ソフトが対応しているので、効率よく検知が可能になっている(Photo03)とする。

Photo02: ランサムウェアの検出効率が93%上がり、ソフトウェア自体の攻撃耐性も24%上がり、...といった(計算方法はわからないが)数字の積み重ねでトータルとして70%削減できたとする。

Photo03: 昔のPCだと、ウィルス検知の処理が結構な負荷になり、VPNとか使っていると本当に耐えられない速度になることがままあった。TDTを利用する事で、この辺りがハードウェアで高速化される、という話。

ちなみにその次のVirtualizationベースのSecurityというのはWindows 11側の機能であり、これはPhoto02に出て来たランサムウェアの検出効率が93%アップという所の理由の一つである。この話は、次の"testing on IT configurations for a smooth transition to Windows 11"にも絡む話である。

その次の3年前のPCと比較して生産性やセキュリティなどが大幅に向上という話(Photo04)もあるが、こちらは純粋にコアの性能比較の話となる。このPhoto04は同時に最後の"Over 2x better productivity..."の節の説明でもある。Core Countの数はHybrid Architectureが故のメリットである。

Photo04: 第10世代Coreとの比較だけでなく、Ryzen 7000シリーズやApple M2との比較もあるが、ここではSYSmarkの数字だけで比較していた。Apple M2はともかく、RyzenとはProcyonの数字も欲しかったところ。

総じて、第13世代になって基本性能が上がったというのと、完成度が上がったという以上の話ではないのが今回のvProの発表ではあるのだが、そもそもvProの完成度そのものが高い(概ね20年近くに渡り提供されている)ということで、更に完成度を高めたというのが今回の発表である。