慰安婦被害者の共同生活施設「ナヌムの家」に置かれている慰安婦被害者の胸像(資料写真)=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の当局者は20日、旧日本軍の慰安婦問題に関する2015年の韓日合意に基づいて韓国で設立された「和解・癒やし財団」の残余金に関し、「国内での意見の聞き取りや関係官庁の協議などを通じて具体的に残余基金の処理方法を検討していく」と明らかにした。

 同当局者は慰安婦合意について「被害者の名誉と尊厳の回復、心の傷の治癒が基本精神」とし、「その履行のために設立された財団の残余基金もその目的で使用する予定」と説明した。また、同合意を「両国間の公式合意として尊重する」とし、「合意の精神に立脚して両国が知恵を集めていくことを期待する」と述べた。

 日本は15年の当時の朴槿恵(パク・クネ)政権との合意に基づいて設立された「和解・癒やし財団」に10億円を拠出した。財団は被害者や遺族に支援金を支払う事業を行い、合意当時に生存していた被害者47人中34人、死亡した被害者側199人中58人に計44億ウォン(約4億5000万円)を支給した。

 だが、合意の見直しを検討した文在寅(ムン・ジェイン)前政権は日本の拠出金10億円を政府の予算に置き換えることを決め、予備費を計上し女性家族部が運営する「両性平等基金」に支出。財団は18年に解散した。このため、合意は事実上形骸化し、財団の残余金と両性平等基金の使い道が課題として残っている。

 韓国政府が先ごろ、日本による徴用被害者への賠償問題の解決策を発表して以降、慰安婦合意の履行問題が韓日間のもう一つの敏感な争点として浮上していた。