もはやコスプレ大会? 東京マラソン2023、奇抜なランナーたちの姿をリポート

参加者のマナーに苦言も
3月5日、4年ぶりにコロナ前の規模で行われた東京マラソン2023。注目選手らは一定の成績を収めたものの、ランナーの奇抜な服装やマナー問題が注目されてしまい……。
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【写真を見る】まるでコスプレ大会? ランナーの奇抜な装いをチェック
3月5日午前9時。新宿・都庁前の気象条件は、気温8.5度、湿度48%、くもりの天候。絶好のマラソン日和となった。4年ぶりにコロナ前の規模で行われた東京マラソン2023。エントリーしたのは約3万8千人。うち1万2千人ほどは海外からの参加だという。
ようやく待ちに待った日常が戻って来たようで喜ばしい限りだが、参加者のマナーがSNSで話題となってしまった。なんと、スタート地点の都庁前で、大勢の観客も見ている中、植え込みに向かって立ち小便しているランナーが何人も見受けられたのだ。

問題行為なのは間違いないのだが、この「用足し」はコロナ以前から指摘されていた課題でもある。参加者が多いだけに、一般ランナーの待機時間も必然的に長くなる。そうなると自然と一定の割合でトイレに行きたくなる人が発生してしまうのだ。
マナー問題以外に一般ランナーで注目されたのは、変わったウェアの参加者が多かったことだろうか。パイナップルになりきった中年女性がいるかと思いきや、こちらにはマクドナルドのフライドポテトに扮した女性がいる。振り返ると、そこには仮装の定番となったミニーマウスに扮した女性。極め付きは「変なおじさん」に扮した“変なおばさん”。
パリ五輪でのメダル獲得は難しい?
一方で選手たちは、今回の東京マラソンで一定の結果を残したといえる。男子では、全体で7位、日本人選手としてはトップでゴールした山下一貴(いちたか)選手の2時間5分51秒は日本歴代3位に当たる好記録。期待された大迫傑(すぐる)選手は2時間6分13秒で、全体9位、日本人3位に終わったが、パリ五輪マラソン代表選考会のMGC出場権はしっかり確保した。だが、世界のマラソン歴代記録を改めて見直すと、ベスト100位には、鈴木健吾選手が2021年に出した日本記録、2時間4分56秒がかろうじて77位に入るだけで、今回の山下選手の2時間5分50秒台の記録など全くの圏外だ。女子も同様で、野口みずきが2005年に出した日本記録が歴代44位にランクインされるが、その後世界で注目を集めるような日本人選手は生まれていない。近年はやりの厚底シューズの使用でタイムは上がり、世界との差は縮まったように見えていたが実はケニア、エチオピアといった強いアフリカ勢との差は広がっているのだ。今のままだと来年のパリ五輪でのメダル獲得はかなり難しいミッションとなるに違いない。
「週刊新潮」2023年3月16日号 掲載