「分けられるものは半分に(2)」YouTube「かえるカエルch【4人家族の節約と貯蓄】」より

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 2月だけでも5千品目超えの食品・飲料が値上げされ、異次元の節約が求められるなか、YouTubeの“ドケチ節約動画”で注目を浴びている主夫がいる。

【写真】アイデアで乗りきったクリスマス、食パン袋の再利用法ほか

 徹底的な支出の見直しと、“チリツモ”な節約を実行し、収入の約50%を貯蓄できる家計に体質改善。3年で1千万円超えの貯蓄に成功した主夫兼YouTuberのだいすけさんだ。

 配信している動画では、“そこまでやる!?”というドケチっぷりに目が行くが、実は元“超浪費家”。以前は、むしろ節約嫌いだったと話す。

節約はケチではなく立派な副業です!

 きっかけは、約3年前。当時、食費を管理していた妻から、節約の効果を具体的な金額で見せられたこと。一気に節約魂に火が付いた。

「毎月10万円だった支出を7万円で収められたら、3万円の収入があったことと同じ。節約は、誰でもできる立派な“副業”だと気づきました」(だいすけさん、以下同)

 動画では“恥ずかしくて人には言えない”と表現しているものの、少ないお金で生活できる技術は“国家資格級”のワザだと自信を持っている。

「旅行ができたり、教育費に困らなかったり、節約をして生まれたお金は生活を豊かにしてくれると思います。節約=セコくて恥ずかしいもの、という意識を変えたいです」

生活の満足度維持がわが家の節約ルール

 そんな、だいすけ家の節約の基準は、やってみて“生活の満足度が下がらないこと”。

 例えば、食パンの袋を三角コーナー代わりに再利用するアイデアは、“とりあえず1週間”と期限を決めてお試し。生ごみのニオイが防げ、使用感も問題ないことを夫婦で共有できたうえで日々の生活に取り入れる。

 クリスマスなどのイベントは、型にはまった過ごし方ではなく、お金をかけなくても家族が楽しめる工夫を重要視している。

「やってみて悲しい気持ちになるような節約はしません。逆に、なんとなくの出費もしない。生活の満足度につながるかどうかでお金の使い道の取捨選択をしています」

 でも、家族間で節約の足並みがそろわないのはよくある話。その場合はどうすれば?

「家族だってそれぞれ別の人間ですから、意見や価値観が合わないのは当たり前。わが家は、ひとつの節約を始める前に“この節約をしたいかどうか”を話し合います」

 いくらの節約効果があるか計算するのもおすすめ。特に男性は数字の実証に弱いので“月○円が浮いて○○できる”という誘い文句はアリだ。

「僕もそれでやる気になりました(笑)。でも、節約は人生を幸せにする手段であって目的ではありません。家族の誰かが我慢を強いられているなら、節約効果が高くても避けたほうがいい。

 ケチだけど楽しいねと面白がれることが節約を続けられる秘訣です」

【ドケチ節約の心得】
★生活の満足度が下がることはしない
★“自分の人生を幸せにする手段”と誇りを持つ
★人間関係など自分が大切だと思うものにはケチらない

恥ずかしくて人に言えないドケチ節約の鉄則10

 セコくて笑われても気にしない!1千万円貯めた節約道を見よ!

1. ATM手数料は死んでも払わない/恥レベル★☆☆

 銀行の定期預金の金利は年間0.002%。650万円を1年間預金しても、利子は1回のATM手数料と同額程度の130円。

「大金を預けた利子が1回の手数料で消えるのは悔しい。預金額等に応じて一定回数の引き出し手数料が無料になる楽天銀行などのネット銀行の利用を」

2. 休日の外出は昼以降にする/恥レベル★☆☆

 休日に家族で午前中から出かけた場合、1〜2時間もすれば昼どきになり、「とりあえず外食」になりがち。

「よほど時間が決まった予定でない限り、わが家では家で昼食を済ませてから出かけます。なんとなくの外食で、食費はあっという間に膨らみます」

3. お菓子とはお別れする/恥レベル★☆☆

 お菓子をやめれば、月3千〜5千円の節約に。

 それだけでなく「お菓子は中毒性の高い嗜好品。肥満や生活習慣病だけでなく、疲れやすくなったり、メンタルにも影響があるといわれています。健康のためにも家族でお菓子とのお別れを積極的に考えてほしいです」

4. イベントにはお金をかけない/恥レベル★★☆

 クリスマスやハロウィンなど、数ある行事すべてに全力投資はストップ。

「例えば、クリスマスはツリーとプレゼントが必要といった固定観念を捨てましょう。クリスマスツリーの代わりは100均グッズで作ったアドベントカレンダーで、毎年使いまわします」

5. 食材は自然解凍する/恥レベル★★☆

 肉や魚などの食材はできるだけ安いときにまとめ買いするのは基本だが、解凍に電子レンジを使っていては電気代のムダ。

「自然解凍の習慣化を。夕食に使う食材は前日の夜か当日の朝に冷蔵庫へ移せば、夕食の調理時に半解凍状態になるので使いやすいですよ」

6. 半端な食材はみそ汁へドボン!/恥レベル★★☆

 食品ロスをなくすことは、食費の節約に直結。「中途半端に余っている野菜は、すべてみそ汁の具に。冷蔵庫の隅で傷んで食べられなくなってしまう前に使い切れます」。

 野菜たっぷりのみそ汁は健康的で豪華な1品に!

7. 分けられるものは半分にして2倍使う/恥レベル★★★

 ボックスティッシュ、食器洗い用のスポンジ、ボディタオル、子どものお絵描き用画用紙などは、半分に切ってから使う。

「1個が2個になるので、2倍長く使えます。半分の大きさでも使い勝手は大差なし。困ることはありません!」

8. チューブ系消耗品は出なくなって3日は使う/恥レベル★★★

「歯磨き粉、洗顔料、マヨネーズなどは出なくなってからが勝負です」。

(1)絞りきる→(2)上下に振りに振って遠心力で出す→(3)容器をはさみで切ってかき出す、の3ステップを行うことで、3〜5日は事足りる。

「なくなったと思った歯磨き粉は、最長で10日間も使えました!」

9. 夕食は多めに作り翌日も食べる/恥レベル★★★

 メインのおかずはお弁当や翌日の夕食の1品に再登場させ、スープ系なら3日は食べ続ける。

「毎日別のメニューを作るより、まとめて作ったほうが食費も光熱費もお得。同じメニューが数日続いても、おいしく食べられますよ」

10. 食パンの袋は再利用する/恥レベル★★★

 食パンの袋の素材はポリプロピレン。気体を通しづらい素材のため、実は生ごみを入れてもニオイを防いでくれる優れもの。

 空になった袋は、赤ちゃんのオムツ、納豆容器のゴミなどを入れることにも活用できる。「ゴミを日用品として活かすのは“チリツモ節約”の基本です」

教えてくれたのは……だいすけさん●主夫として家計を管理する2児の父。投資家。自らも実践する、誰でも今すぐできる節約術をYouTubeチャンネル「かえるカエルch【4人家族の節約と貯蓄】」で配信中。

(取材・文/河端直子)